家族の意思決定疲労を減らす設計
在宅ケアの判断支援テンプレ
訪問鍼灸の現場で、よく聞く言葉があります。
「何を選んだらいいか分からなくなってしまいました」
「判断するのが怖いです」
「正解がないから余計にしんどいです」
これは知識不足でも、やる気の問題でもありません。
意思決定そのものが疲労になっている状態です。
在宅ケアは、選択の連続です。
でも心理的な負荷は、選択の数では決まりません。
・判断の重さ
・未来の不確実性
・失敗への恐怖
ここで決まります。
この記事は、
その疲労を減らすための「設計テンプレ」です。
1|意思決定疲労って何か?
簡単にいうと、
判断しないといけないことが、同時にいくつもある状態。
これが重なると、
・優先順位が分からない
・不安が先行する
・判断を避けたくなる
・罪悪感が湧く
・家族関係がこじれる
という流れになります。
特に
「判断=責任」
という感覚が強い人ほど、深刻になります。
2|意思決定を減らす3つの設計
① 判断を“分解”する
大きな決断を一気にやるから疲れます。
よくある例:
・一回の施術で全部決めようとする
・退院のタイミングで全部考えようとする
これを、
小さい判断 × 少ない回数
に変えます。
たとえば:
① まず今日はここだけ
② 次は時間だけ
③ その次に場所だけ
こうすると、心理的負担はかなり下がります。
②「正解」じゃなく「嫌じゃない」を基準にする
在宅ケアに“正解”はありません。
だから、
「どれが正しいですか?」
ではなく、
「どっちが“嫌じゃない”ですか?」
に変えます。
これだけで、判断のハードルが一気に下がります。
③ 一気に決めない
今日はここだけ。
次はこれだけ。
未来までまとめて決めない。
これが基本です。
3|判断支援テンプレ(現場でそのまま使えます)
テンプレ①:選択の前に“優先順位”を一点にする
まず、今日いちばん優先したいのは何ですか?
・痛みですか?
・安心感ですか?
・転倒予防ですか?
→ 家族の焦点を一点にします。
テンプレ②:結論を出さない選択肢提示
これはAのパターンです。
これはBのパターンです。
どちらが「嫌じゃない」ですか?
→ 正解探しから降ろします。
テンプレ③:先に小さく決める
今日はここだけ決めましょう。
次はまたその時に考えましょう。
→ 判断を分割します。
4|“判断疲労”が生まれる典型ケース
ケースA:デイサービス選び
「どのデイサービスがいいか分からなくて…」
これを、
まずは見学日だけ決めましょう。
に分解します。
ケースB:施術を続けるか迷っている
「続けるかどうか悩んでいます」
これを、
次1回だけ試してみましょう。
にします。
未来全部を決めさせないのがコツです。
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5|まとめ
在宅ケアは“選択”の連続です。
でも判断そのものが疲労になります。
だから、
まとめて決めない。
分解して判断を減らす。
その上で、負担を減らす設計をする。
これだけで、家族の表情はかなり変わります。
