訪問鍼灸の初回対応の流れ|最初に決めること(料金・頻度・延長・キャンセル)
訪問鍼灸は、施術そのものよりも「最初の設計」でほぼ決まる。
初回の対応が曖昧なままだと、後からズレが起きて、施術者側が苦しくなる。
- 延長を求められる
- 予定変更が増える
- キャンセルが雑になる
- ルールがないので断れなくなる
これは患者さんが悪いというより、
初回で「決めるべきことを決めていない」ことが原因になることが多い。
この記事では、私が訪問現場で実際にやっている
**初回対応の流れ(料金・頻度・延長・キャンセル)**をまとめます。
初回で決めることは「技術」より「枠組み」
訪問鍼灸の初回で一番大事なのは、
信頼関係を作ること
ではなく、
ズレが起きにくい枠組みを作ること
です。
施術がうまくいっても、枠組みがないと崩れる。
逆に、施術が普通でも枠組みが整っていると継続しやすい。
初回対応の流れ(私の場合)
ざっくりこの順番で進めています。
- 目的(何を良くしたいか)を確認
- 料金と支払い方法を説明
- 頻度(回数)の提案
- 延長の扱いを説明
- キャンセル・変更のルール
- 次回予約の取り方
- 最後に「こちらの判断基準」を軽く伝える
① 目的(ゴール)を最初にすり合わせる
初回でありがちなのが
- 本人は「痛みをとってほしい」
- 家族は「歩けるようにしてほしい」
- 施術者は「筋力と可動域が必要だと思ってる」
みたいに、全員が違う方向を向いている状態。
ここを放置すると
施術が正しくても噛み合わないが起きる。
まずはこの確認。
- 今日から何ができるようになりたいか
- 何が一番困っているか
- 家族の希望は何か(本人とズレてないか)
② 料金と支払い方法(最初に言い切る)
ここは「ふんわり」させないほうがいい。
料金はこうなります
支払いはこうなります
月の目安はこれくらいです
を初回で言う。
理由は単純で、
あとから言うほど関係性が壊れやすいから。
③ 頻度の提案(延長より回数)
訪問の現場では「長めにしてほしい」が出やすい。
でも実際は、
- 手技系なら → 長いほどドーゼオーバー(翌日だるい/痛い)
- トレーニング系なら → 疲労を残すと転倒リスク
がある。
だから私は基本こう伝えています。
「長くするより、週1を週2にする方が安全で、結果も出やすいです」
そしてここで大事なのは、
“施術者側の都合”で言わないこと。
「こっちが忙しいから延長できない」ではなく
- 身体にとって安全
- 効果が出やすい
- 生活に馴染む
という理由で話す。
※「延長すべきか、頻度を増やすべきか」で迷いやすいので、こちらも参考にしてください。
→ 「訪問鍼灸は『長くするより回数』|延長より頻度をすすめる理由」
④ 延長の扱い(「例外」を最初に決める)
延長は、1回でも許すと
- 次も延長が前提になる
- “標準”が勝手に上がる
- 断ると悪者になる
が起きやすい。
だから私は先に言う。
「基本延長はしません」
「例外はこういうときだけです」
例外はたとえば
- 初回で説明が長引いたとき
- 大きな不調変化があって急ぎ対応が必要なとき
みたいにこちら主導で決める。
⑤ 予約の取り方(次の枠を先に決める)
訪問は「その場で決める」が最強。
理由は、後回しにすると
- 優先順位が下がる
- 予定が埋まる
- 連絡のストレスが増える
から。
初回は「次回だけ」でもいいので取っておく。
⑥ キャンセル・変更ルール(在宅は起きる前提)
在宅は
- 体調悪化
- 急な通院
- 家族都合
- 入院
普通にある。
だから「キャンセルされるな」は無理。
ただし、ここを曖昧にすると
- 当日キャンセルが増える
- 前提が壊れる
- 施術者側だけが調整役になる
になる。
なので私はこう言う。
「キャンセル自体は大丈夫です」
「ただ、わかった時点で早めに連絡ください」
そして必要なら、
「続く場合は頻度や枠の取り方を相談します」
と先に仕組みを置いておく。
※突然のキャンセルが続いたときの判断は、ここで整理しています。
→ 「【訪問鍼灸】突然のキャンセルはどう判断する?」
⑦ 最後に「判断基準」を軽く伝える
初回の最後に、ガチガチに言う必要はないけど、
判断軸だけは先に匂わせるのが大事。
たとえば
- 時間が守れるか
- 敬意が成立するか
- こちらが「調整役」になり続けないか
このへん。
これを最初に入れておくと、
後で線引きする時に揉めにくい。
まとめ:初回で枠を作ると、後が全部ラク
初回は「施術で魅せる」より、
- ルール
- 例外
- 判断基準
を置いたほうが、結果として関係が続く。
優しさって、
その場で全部受けることじゃなくて
長く続けられる形に整えること
やと思う。
▼ 関連記事(初回対応とセットで読む)
・頻度と延長の判断で迷ったとき
→ 「訪問鍼灸は『長くするより回数』|延長より頻度をすすめる理由」
・突然のキャンセルが続くときの判断
→ 「【訪問鍼灸】突然のキャンセルはどう判断する?」
・時間を軽く扱われたときの線引き
→ 「在宅ケアで『時間』を軽く扱わない理由」
・敬意が成立しないときの判断
→ 「敬意が成立しない関係から離れるという判断」
・判断基準をまとめて見たい人へ
→ 「訪問鍼灸の判断基準|延長や頻度の相談で迷わない」
