訪問鍼灸の料金と支払いルール|トラブルを防ぐ「最初の設計」

はじめに

訪問鍼灸を始めるとき、最初に不安になるのは制度や同意書だと思う。
でも実際に現場で一番消耗するのは、そこじゃない。

一番疲れるのは、お金の話が曖昧なまま始まること

  • 料金がよく分からないまま施術が続く
  • 支払いが遅れる
  • 「今月まとめてでいい?」が常態化する
  • 施術者側が気を遣いすぎて言いにくくなる

このあたりが積み重なると、関係性も、施術の質も崩れていく。

だから僕は、訪問鍼灸を続けるために
「支払いルールの設計」を最初に固めるべきだと思っている。

この記事では制度の細かい話ではなく、
現場で揉めないための支払いの仕組みだけをまとめる。


結論:支払いルールは「最初に決めた通り」にする

訪問鍼灸は、距離が近い。
その分、人情で揺れやすい。

優しい人ほど、

-「まぁ今日はいいか」
-「この人は大変そうだから」
-「今月はまとめてでいいですよ」

…みたいに、気を遣って例外対応を積み上げてしまう。

でもこれって、長くやればやるほど分かるけど
後で必ず自分が削れる

そしてもう一つ大事なことがある。

支払いを曖昧にするのは、相手のためでもあるように見えて、
実は相手の安心感も壊す。

ルールが曖昧な関係は、
施術者だけじゃなく、患者側も不安定になる。

だから結論はシンプル。

支払いルールは最初に決める
決めたら変えない
例外は「例外として最初から設計」しておく


支払い方法はどうする?(基本は都度払い)

訪問鍼灸の支払いは、基本的に

都度払い(毎回支払い)

がいちばん揉めない。

都度払いが強い理由

都度払いには、現場で強いメリットがある。

  • ルールが分かりやすい
  • 未払いが起きにくい
  • 施術者側が精神的に楽
  • 月末に揉める可能性が激減する

そして何より大きいのは、

「施術」と「支払い」がセットで完結する

という点。

これが最も安全で、綺麗。


都度払い以外が必要になるケース(例外)

ただ現場では「都度払いが理想」でも、
どうしても例外が起きることがある。

たとえば、

  • 認知機能が落ちていて現金管理が難しい
  • 金銭管理が家族(キーパーソン)になっている
  • 本人が財布を持っていない/持てない
  • 体調変動が激しく、支払い・予定の継続が難しい

こういうケースでは、
「都度払いが正義」では片づかない

だから大事なのは、

✅ 都度払いを崩すなら
✅ その分だけルールを固める

という考え方。


月末まとめ払いにする場合の「設計」

もし月末まとめ払いにするなら、
ルールがないとほぼ確実に事故る。

月末まとめ払いの問題点はこれ。

  • 請求がズレる
  • 「今月何回したっけ?」が曖昧になる
  • 未払いが発生しやすい
  • 家族が支払う場合、連絡がつきにくい
  • 返金が必要になったとき面倒

それでも月末まとめをやるなら、最低限これを決める。


✅ 月末まとめ払いのルール(テンプレ)

  • 支払い日は「月末 or 翌月◯日まで」
  • 現金 or 振込(どちらか)
  • 誰が支払うか(本人/家族)
  • キャンセル時の扱い(当日キャンセルはどうするか)
  • 返金が必要になった場合の対応
  • 明細を渡すかどうか

ここまで決めて、
最初に説明しておく


施術料金+往診料の話(細かい制度は最後でいい)

制度を細かく覚えるのは後回しでいい。
でも「料金の構造」は絶対に押さえた方がいい。

訪問鍼灸の料金はざっくり、

  • 施術料(1術 / 2術)
  • 電療加算(電気鍼など)
  • 往診料(距離によって変わる)

この3つで構成される。

例:現場での説明(この言い方でOK)

「料金はざっくり
施術代+往診代です。
往診代は距離で少し変わります。」

これで十分。

制度の数字を全部言うと相手は理解できないし、
理解できない情報は不安になるだけ。


領収書・明細のルール(トラブル予防)

訪問鍼灸は距離が近い分、
「なんとなく」でやると後でズレる。

だから領収書のルールは作っておく。

おすすめは、

毎回領収書を出す(必要な人だけでもOK)
月末まとめの場合は明細を出す


よくある事故

  • 何回施術したかで揉める
  • 「そんな金額じゃなかったはず」と言われる
  • 家族が後から口を出す

これは全部、
記録と説明がなかった時に起きる


最後に:お金の話を固めるのは「冷たさ」じゃない

支払いルールを固めるとき、
たぶん多くの人がこう思う。

「お金の話をすると関係が壊れそう」

でも逆。

曖昧なお金の方が、確実に関係を壊す。

そしてもう一つ。

支払いルールは、
相手のためでもあり、施術者のためでもある。

施術者が安心して関われる状態を作ることが、結果的に患者の利益になる。

ここが訪問の本質だと思っている。



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