在宅ケアで「時間」を軽く扱わない理由
■年齢の問題だと思っていたころ
在宅の現場に長くいると、
「これは誰も教えてくれなかった」と感じる瞬間があります。
今回は、「時間」について、
自分の経験から整理しておきたいと思います。
これは正解探しではなく、
明日から実務が少しラクになるための視点として。
最初は、年長者は時間に厳しいものだと思っていました。
自分の祖父や祖母も、待ち合わせよりかなり前に来て待っているタイプでしたし、
「そういう世代なんだろう」と自然に受け取っていました。
在宅の現場に出た当初も、
時間について何か言われる場面があれば、
年齢や生活習慣の違いだと考えていました。
👉 時間や約束が崩れたとき、どこで線を引くかの判断は、
以下の記事で整理しています。
・敬意が成立しない関係から離れるという判断
・正しいはずなのに噛み合わない──在宅鍼灸・訪問ケアで判断がズレる瞬間
■違和感が説明できなくなった
ただ、訪問を続ける中で、
それだけでは説明できない違和感が少しずつ積み重なっていきました。
約束の時間が目曖昧になりやすい方ほど、
こちらの時間の使い方には厳しい反応が返ってくる。
年齢が高いかどうかとは、必ずしも一致しない。
はっきりと
「これは年齢の問題ではない」
と気づいたのは、3〜4年前だったと思います。
👉このズレが続いたとき、
「続けるか・距離を取るか」をどう判断するかは、
以下の記事で具体的に書いています。
・訪問鍼灸の判断基準|延長や頻度の相談で迷わない手順
・【訪問鍼灸】突然のキャンセルはどう判断する?
■時間そのものではなく、関係性の問題
時間そのものというより、
関係性の中で
「時間の主導権がどちらにあるか」
その問題なのではないかと感じるようになりました。
そこから、自分の時間の扱い方を少しずつ変えました。
遅れそうだと感じた日は、
最初から10〜15分遅い時間を伝えるようにしています。
結果的に5〜10分早く着くこともありますが、
早く着きすぎた場合は、すぐに訪問せず、少し待ってから伺います。
また、こちらが予定より遅れた場合は、
先に、少しオーバーなくらい伝えるようにしています。
「遅れてごめんね。
待ってる時間って、長くかんじるよね。ほんと悪かったね。」
■自分の時間の扱いを変えた
時間そのものよりも、
その時間をどう扱っているかが大切だと感じるからです。
■ネガティブな空気を先に引き受ける
このやり方にしてから、
時間に関して強く不満を向けられることは、ほとんどなくなりました。
何か言われることがあったとしても、
クレームという形にまで発展することは少ない。
おそらく、
こちらが先にネガティブな空気を引き受けているだけなのだと思います。
■「来てもらって当たり前」という空気
在宅ケアで一番しんどくなるのは、
技術が足りないと感じる時ではありません。
「来てもらって当たり前」
という空気が、関係の中に出来上がってしまった時です。
※時間や延長で迷う背景には、
「嫌われたくない」「断るのが怖い」という感情が混ざることがあります。
→なぜ正しい判断をしているのに、現場で苦しくなるのか――訪問鍼灸で「判断」と「感情」がズレる瞬間
■時間を軽く扱わない、という選択
時間を曖昧に扱い続けると、
関係性もまた、曖昧なまま固定されていきます。
だから今は、
時間だけは最初から軽く扱わないようにしています。
これは正解でも、理想論でもありません。
ただ、今の自分には一番無理がなく、
長く続けられるやり方だと感じています。
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▼ 記事内で迷ったときに読む関連リンク
・時間・延長の判断に迷ったとき
→ 在宅ケアで「時間」を軽く扱わない理由(この記事)
・頻度や回数の相談で迷ったとき
→訪問鍼灸の判断基準|延長や頻度の相談で迷わない手順
・突然のキャンセルや変更への対応で迷ったとき
→ 【訪問鍼灸】突然のキャンセルはどう判断する?
・関係性や敬意のズレを感じたとき
→ 正しいはずなのに噛み合わない――在宅鍼灸・訪問ケアで判断がズレる瞬間
・施術者自身の身体や負担に不安があるとき
→訪問鍼灸を続けるための身体管理|疲労で判断を誤らないために
・制度面・線引きを体系的に整理したいとき
→ 在宅ケアが続く働き方の基礎(まとめ記事)現在準備中
