訪問鍼灸の頻度提案の出し方|週◯回を揉めずに決める説明テンプレ
「週に何回施術を受ければいいですか?」
訪問鍼灸を始めたばかりの頃、この質問が一番しんどい——そう感じる施術者は多いです。
- こちらは根拠を持って提案しているつもり
- でも相手には「押しつけ」に見える
- 逆に相手に決めさせると、こちらが消耗する
そして一度ズレると、だいたい同じことが起きます。
- 延長を求められる
- 頻度が増殖する
- キャンセルが増える
- 不満だけが残る
でもこれ、あなたの説明が下手なんじゃないです。
頻度の話は、構造上揉めやすいポイントなんです。
今日は、現場で揉めずに頻度を決めるための「型」をまとめます。
結論は最後に置きます。先に1つだけ前提整理をさせてください。
まず前提:頻度が揉めるのは「正しさの問題」じゃない
頻度提案で揉めるとき、よくある誤解があります。
「説明が足りなかった」
「もっと丁寧に話すべきだった」
でも実際は違います。
頻度のズレは、ほとんどが
期待・前提・役割のズレから起きます。
- 患者さん:通えば通うほど良くなるはず
- 家族:たくさん来てくれた方が安心
- ケアマネ:制度的に問題ない範囲で増やしてほしい
- 施術者:頻度は体力・時間・制度も含めて設計が必要
ここでの争点は「正解」ではなく、
誰が決めるかです。
✅ 頻度提案の結論:頻度は「相談」ではなく「設計」です
ここ、先に言い切ります。
頻度は
患者さんに決めてもらうものではありません。
(※もちろん希望は聞きます)
理由はシンプルで、
- 施術計画
- 施術者の稼働
- 制度
- 生活の負担
これを全部まとめて判断できるのは、施術者側だけだからです。
だからあなたは最初から、
「週◯回が良いと思います」
と、提案していい。
むしろ提案しないと、現場は壊れます。
頻度提案が揉める典型パターン3つ
ここから「揉め方」を先に見える化します。
(あなたが今どれにハマっているか分かるはず)
①「相手に決めさせてしまう」パターン
聞き方例:
「どうしましょう?週何回がいいですか?」
→この瞬間、頻度は「交渉」になります。
結果:
- 強い人(家族)が主導権を取る
- 断れない施術者が増やされる
- その後「減らしたい」が言えなくなる
②「正論で押し返す」パターン
言い方例:
「医師の同意の範囲が…制度的に…」
→正しい。でも正しさで勝つと、関係が摩耗します。
結果:
- その場は通る
- でも相手の不満が蓄積
- 後からキャンセルや態度に出る
③「例外を積んで増殖する」パターン
始まり:
「今週だけ多めに…」
「この日だけ…」
「家族が来るから…」
→ここから例外が権利化します。
結果:
- 施術者の負担が無限に増える
- 相手は「普通」と思っている
- こちらだけが疲れる
✅ 頻度や延長の相談が増えると、判断が揺れやすくなる
→「訪問鍼灸は『長くするより回数』|延長より頻度を優先する理由」
頻度提案の“型”はこれ(結論より大事)
頻度提案は「言い方」ではなく、
**順番(設計)**です。
✅ 頻度提案テンプレ(最強)
以下を「順番通り」に言うだけで、揉めにくくなります。
① 目的地(ゴール)を先に共有する
「まず、〇〇ができる状態を目標にしたいです」
例:
- 歩行の安定
- 疼痛のコントロール
- 生活動作が楽になる
- 夜間痛が落ち着く
② そのために必要な“密度”を説明する
「最初は間隔を詰めた方が、体が変わりやすいです」
③ 具体回数を「提案」として出す(相談にしない)
「なので、まずは週2回でいきましょう」
④ 期限を付ける(固定しない)
「2〜4週間やって、反応を見て調整します」
⑤ 例外を封じるルールを軽く置く
「回数は“その都度の気分”で増やさず、基本は計画で進めます」
✅ ルールを決める基準を先に作っておくと“例外増殖”を防げる
→「延長、例外どこまで応える?制度を決める基準」
これをそのまま使える:頻度提案のセリフ例
現場でそのまま言える形にしておきます。
✅ セリフ(標準型)
「まず目標は、日常生活で〇〇が楽になる状態です。
そのために最初は間隔を詰めた方が効果が出やすいので、
まずは週2回でいきましょう。
2〜4週間で反応を見て、週1回に落とすか調整します。」
✅ 相手が「もっと増やして」と言った時
「増やすこと自体はできます。
ただ、回数を増やすほど良くなるとは限らないので、
いったん計画通り2〜4週間やって、反応で判断したいです。」
(※“拒否”ではなく“判断の順番”に戻す)
✅ 相手が「減らしたい」と言った時
「もちろん可能です。
ただ、減らすと変化がゆっくりになります。
どちらを優先したいか、一緒に確認して決めましょう。」
(※主導権を返しつつ、責任を背負いすぎない)
✅ そもそも判断の軸(フロー)が必要な人はこちら
→「訪問鍼灸の判断基準|延長や頻度の相談で迷わない」
まとめ:頻度は「提案する側」が決めていい
最後に結論をもう一度。
訪問鍼灸の頻度は、
患者さんが決めるものではなく、施術計画として設計するものです。
逆に言えば、頻度を曖昧にすると
- 境界線が曖昧になる
- 例外が増殖する
- “いい人枠”に入って消耗する
ここへ一直線になります。
あなたが守るべきは、
「相手の気分」ではなく
継続して成立する関係と設計です。
▼ 関連記事(次に読む)
・初回の場で、料金・頻度・延長・キャンセルまで決めたい
→「訪問鍼灸の初回対応の流れ|最初に決めること(料金・頻度・延長・キャンセル)」
・例外対応が増えすぎて苦しくなっている
→「訪問鍼灸で悩みが消えない理由|あなたが詰まっているポイント」
・制度全体(料金・距離・頻度上限)を整理したい
→「【訪問鍼灸の制度はこれだけ知れば迷わない|現場判断の7つの軸】」
