訪問鍼灸を続けるための身体管理|疲労で判断を誤らないために
訪問は施術だけでなく移動・気遣い・環境への適応が含まれるため、
身体的負担は施術時間以上に大きい。
腕・首肩だけでなく、頭痛や回復の遅さといった
“最初は気づきにくい疲労”が積み重なると、
判断力の低下や関係性の崩れを招きます。
今回は、
施術者が現場で身体を守りながら続けるための
「身体管理の基準」を整理します。
■訪問鍼灸は「施術者の身体が続かない」構造になっている
訪問の現場では、仕事が増えてくるほど
身体が削られる。
単に施術が大変なのではなく、
- 移動
- 気遣い
- 判断
- 環境対応
が積み重なることで、疲労は施術時間以上に増幅する。
疲れた状態で判断すると、
線引きが曖昧になり、依存や関係悪化も起きる。
だから身体管理は「患者のため」ではなく
自分が長く続けるための最低条件 と考える。
疲労は蓄積されると判断が鈍り、関係が荒れ、離脱に繋がる。
※疲労で判断がブレる前に、判断の「基準」自体を整理したい方はこちら
→ 訪問鍼灸の判断基準|延長や頻度の相談で迷わないために
■疲労は感覚ではなく「事実」で判断する
疲れているかどうかは主観。
でも身体は嘘をつかない。施術者が、休むことで患者も守られる。
疲れは感情では測れないので、次の身体サインが出始めたら、続け方を見直す合図になる👇
- 朝の起床が重い(回復しきれていない)
- 施術後に握力が落ちている
- 施術中に集中力が途切れる
- 片頭痛・めまいが出る
- 首肩~腕の痛みが抜けない
どれも「もう少し頑張れる」は禁物。
現場は判断の連続なので、
身体が不安定=判断基準が揺らぐ。
■身体を守る仕組み(ルール化)
気合いや根性で調整しようとすると続かない。
身体管理は「仕組み」でやる。
※「仕組みで守る」という考え方は、働き方全体の線引きとも繋がります
→ 在宅ケアが続けられなくなる前に、働き方の上限と線引きを決める
●1日の訪問上限を決める
目安:8〜10件 ※15件以上回れる日があっても、続ける設計ではない
理由:回復までに48時間かかる負担が溜まる前に抑える
●休憩枠は“先に入れる”
余ったら追加訪問すればいいという考えは危険
(空き時間があると入れようとしてしまうので逆順)
●疲労の翌日は、判断系の業務を減らす
例:
- 新患対応しない
- 初回評価を避ける
- 書類業務も減らす
判断力は体力に紐づく。
●自分以外ができる負担は外注する
例:
- 書類整理
- 経理入力
- 物品管理
※時間と身体の消耗の優先順位で判断。
■身体負担は仕組みで減らせる(具体例)
訪問では、施術以外の負担が大きくなる。
そのひとつが「移動」。
私は電動自転車に切り替えたことで、
- 駐車場を探す時間
- 乗り降りのストレス
- 暑い日・坂道での疲労
が大幅に減り、判断がぶれなくなった。
身体管理は、施術技術よりも
こうした構造的負担の削減が効果が大きい。
■外注についての誤解
身体負担を減らす方法として外注は正しい。
ただし、
開業初期から外注に頼るのはおすすめしない。
- お金に余裕がない
- 事務作業の全体像を理解できていない
この段階で外注すると、判断基準そのものが育たない。
外注は「業務全体を把握した後」にするから効果がある。
■症状が出たときの判断ライン
疲労サインを見逃したまま続けると
判断ミスが患者に影響する。
迷ったらこう判断する👇
- 持ち越す疲労がある
→枠削減 or 短時間ケアに切り替え - 施術に影響しそう
→翌日の訪問数を調整 - めまい/頭痛
→即帰宅 or 当日対応終了
※冷たい判断ではなく、責任として必要なこと。
■明日からできる具体行動
今日この後でOK👇
- 明日の訪問枠を8〜10件で仮決めする
- 休憩枠15〜30分確保する
- 疲労のサインをメモする(主観だけで判断しない)
この3つだけでも
判断ミスが減り、いつのまにか続けやすくなる。
身体管理は根性ではなく、
負担を仕組みで減らすこと。
疲労が判断に影響する前に、
先に線を引くことが続ける鍵になる。
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