施術で良くなっても崩れる人へ|現場で見ている「生活動線」の落とし穴
施術で良くなっても、
その日の夜、あるいは数日後に元に戻ってしまう人がいます。
多くの場合、原因は身体ではありません。
**「生活への戻り方」**です。
実際の現場では、こういう流れがとても多い。
- 施術で動きや痛みは改善する
- 安心して、いつもの生活に戻る
- 同じ動作・同じ配置・同じ無理を再開する
- 数日〜数週で再発する
本人は「まだ施術が足りない」と思います。
でも実際には、
身体だけ更新して、生活は旧バージョンのまま
これが起きています。
なぜ再発するのか?
再発する人には、共通した構造があります。
① 元の動作に100%戻る
良くなった瞬間、
- 立ち方
- 歩き出し
- 椅子の使い方
- 家事や移動の仕方
全部“元通り”に戻します。
身体は変わっているのに、
使い方は変えていない。
これだけで再発リスクは一気に上がります。
② 非日常で一気に崩れる
特に多いのが、
- 来客
- 外出
- 法事やイベント
いわゆる非日常動線。
この時、
- 椅子の位置が変わる
- 立ち上がり方が変わる
- 遠慮して無理をする
ここで事故や悪化が起きます。
本人は「たまたま」と思いますが、
実際は動作と配置が変わった結果です。
③ 本人の感覚に任せてしまう
家族や周囲はこう言います。
「本人が大丈夫って言ってるから」
でも、
判断力が落ちている状態では、それは“判断”になっていません。
現場では、
- 押し車のロックをかけたまま持ち上げて曲がって歩行しているだけで肩を痛める
- 椅子の立ち上がり方ひとつで転倒する
こういうケースが日常的に起きています。
👉 「休んでいるのに回復しない人」の構造はこちら
👉 判断力が少しずつ削れていく話はこちら
施術後 行動計画テンプレ
だから私は、
“どう施術するか”より
**“どう生活に戻るか”**を必ず一緒に決めます。
やっていることはとてもシンプルです。
STEP1|今日変える「1つの動作」を決める
大きな目標はいりません。
- 今日の立ち上がり
- 今日の歩き出し
- 今日の椅子
この中から1つだけ。
STEP2|危険な場面を1個だけ共有する
例えば:
- 夜のトイレ
- テレビ前の立ち上がり
- 来客時
「ここだけ注意しましょう」
それだけで十分です。
STEP3|“悪くならないライン”を決める
目標はまず
❌ 良くなる
ではなく
⭕ 悪くならない
具体的には:
- 無理しない
- 呼ぶ
- 手伝ってもらう
このラインを先に決めます。
STEP4|家族や施設に短く伝える
長い説明はいりません。
「動作が少し変わっているので、立つ時だけ見てもらえると助かります」
これだけ。
よくある失敗パターン
再発する人は、ほぼ同じ形でつまずきます。
- 「頑張ります」で終わる
- 生活は何も変えない
- 本人任せになる
- 家族が「本人の意思」で判断してしまう
そして数日後、
「また悪くなりました」
施術の問題ではありません。
戻り方の問題です。
ゴール設定を変える
多くの人はこう考えています。
「治りたい」
でも現場で大事なのは、
まず
悪くならない
そこから
一歩だけ前
この順番です。
患者さん自身も、
「治してもらう」
と思った瞬間に、
自分の身体から降りてしまうことがあります。
回復は、
施術
→ 生活
→ 動作
→ 継続
この流れで決まります。
まとめ
施術はきっかけです。
回復を決めるのは、その後の生活設計。
- どこから立つか
- 何を掴むか
- どの動線で動くか
ここが変わらなければ、身体はまた壊れます。
だから私は施術後、必ず聞きます。
「今日から、何を1つ変えますか?」
それだけです。
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