鍼灸・リハ業界に向いている人、向いていない人

――後悔する人の共通点は「技術」ではありません

はじめに

鍼灸やリハの業界に入るとき、
多くの人が
「技術を身につければ、何とかなる」
と思います。

でも実際の現場では、
辞めていく理由の多くは
技術不足ではありません

今回は、
臨床の現場に長く関わる中で感じてきた
この業界に向いている人・向いていない人の特徴を、
きれいごと抜きで書きます。


向いていない人の特徴

① 自分の正しさを、相手にそのままぶつけてしまう人

「自分は間違っていない」
「相手のためを思って言っている」

そう思っていても、
それが患者にどう伝わっているかは別の話です。

臨床は、
正解を押し通す場ではなく、
相手と一緒に納得点を探す場です。

自分の考えや感情を
一度立ち止まって見直せない人は、
知らないうちに信頼を失っていきます。


② 学び続ける意識がない人

この業界では、
「正解だと思っていたものが、後から変わる」
ということが珍しくありません。

施術方法、運動、トレーニング、
効果の出方や考え方。

今まで正しいと思っていたものが、
ある日突然、通用しなくなることもあります。

「一度学んだから、もう大丈夫」
と思った時点で、
臨床は止まります。


③ すぐに慌ててしまう人

患者の反応が思った通りに出ない。
経過が教科書と違う。
急に症状の訴えが変わる。

こうした場面は、
現場では日常的に起こります。

そのたびに焦ってしまい、
感情が先に立つ人は、
冷静な判断ができなくなります。

落ち着いて考え続けられるかどうかは、
技術以上に大切な力です。


実は「向いている人」の特徴

ここからは、
一見すると冷たく見えるかもしれませんが、
この仕事を長く続けている人に共通する特徴です。


④ 感情と仕事を切り分けられる人(割り切れる人)

どれだけ考えても、
すべての人が良くなるわけではありません。

結果が出ない日もあります。

それを
「自分の価値」や
「人間性」と切り離して考えられる人は、
必要以上に消耗しません。

割り切ることは冷たさではなく、
自分を壊さずに続けるための技術です。


⑤ 患者の希望と、施術者としての判断を切り分けられる人

臨床では、
患者の願いと、
施術者としての判断が
一致しない場面が多くあります。

患者に寄り添いすぎると、
言うべきことが言えなくなる。

一方で、
施術者の判断を押しすぎると、
関係そのものが続かなくなることもあります。

この微妙なバランスを扱える人が、
この業界では長く残ります。


おわりに

もし今、
この仕事がしんどいと感じているなら、
それは「向いていない」からとは限りません。

ただ、
向き合うポイントを
少し間違えているだけかもしれません。

技術の前に、
自分のスタンスを
一度立ち止まって見直してみてください。

こうした考え方の前提については、最初の記事にまとめています。

▶︎ 在宅鍼灸師の実務ノートを始めた理由

実際の現場で起きるズレについては、次の記事で具体的に書いています。

▶︎ 正しいはずなのに噛み合わない ― 在宅鍼灸・訪問ケアで判断がズレる瞬間