境界線が曖昧になっているサイン5つ ──「向いてない」と言われる前に確認してほしいこと
「向いていないのかもしれない」
そう感じたとき、多くの人は
自分の性格や努力不足を疑います。
でも、現場で見てきた限り、
本当に“向いていない”ケースはそれほど多くありません。
苦しくなっている理由が、
能力や適性ではなく、
境界線が曖昧な構造にあることの方が、実際には多い。
この文章では、
「もう少し頑張ればいけるはずなのに、なぜか消耗していく」
そんな状態に陥りやすい人に向けて、
境界線が崩れ始めているときに現れるサインを整理します。
「向いてない」と結論を出す前に、
一度だけ確認してほしい視点です。
サイン①
断れない理由を、毎回「自分の性格」に帰属させている
頼まれごとを断れなかったとき、
「自分は冷たい人間になれない」
「こういう性格だから仕方ない」
そう考えていないでしょうか。
ですが、
断れない状況が常態化している場合、
問題は性格ではなく、断れない前提で回る構造にあります。
・断る選択肢が最初から提示されていない
・断ると関係性が壊れる空気がある
・断った理由を毎回説明させられる
これらが重なっているなら、
個人の資質ではなく、
環境側の設計を疑う必要があります。
※ 境界線が曖昧になると、
判断そのものは間違っていなくても、現場で消耗することがあります。
→ 判断フローは合っているのに、なぜ現場で苦しくなるのか
サイン②
本来の役割ではない仕事が、静かに増えている
最初は善意だったはずの対応が、
いつの間にか「あなたがやる前提」になっていないでしょうか。
・専門外の調整役
・連絡係、説明係、フォロー係
・誰かの感情をなだめる役割
これらは一つ一つは小さくても、
役割が増殖すると、境界線は確実に曖昧になります。
「できるからやっている」状態が続くと、
やらない選択肢は消えていきます。
役割を引き受けすぎる構造については、
こちらで整理しています。
→ 訪問鍼灸で「役割を引き受けすぎない」ための考え方――続けるために、施術者が背負わなくていいもの
サイン③
成果より「関係性の維持」が優先されている
本来は結果や目的のための関係だったはずが、
いつの間にか
「関係を壊さないこと」が最優先になっていないでしょうか。
・言うべきことを飲み込む
・不満を言語化できない
・関係が続いていること自体が評価軸になる
この状態では、
仕事は進んでいても、心身は確実に消耗していきます。
サイン④
怒りや疲労の理由を、うまく説明できない
強いトラブルがあったわけでもないのに、
なぜかイライラする。
終わったあと、どっと疲れる。
それは、
「踏み込まれている感覚」に
身体が先に反応している状態かもしれません。
境界線が曖昧になると、
感情は後からしか追いつかず、
理由の分からない疲労として表に出ます。
サイン⑤
「辞めるほどではない」が何年も続いている
すぐに辞めたいわけではない。
でも、楽になった実感もない。
この状態が長く続いている場合、
環境に修正がかからない構造ができあがっている可能性があります。
大きな破綻が起きない分、
違和感だけが少しずつ蓄積されていく。
それが一番消耗するパターンです。
まとめ
「向いていない」と感じたとき、
まず疑うべきなのは自分ではなく、
境界線がどこで曖昧になっているかです。向き・不向きの判断は、
この確認をしたあとでも遅くありません。
