訪問鍼灸のヒヤリハット|「信頼されすぎる」が止められなかったケース
①この記事で避けられること(読む理由)
この記事では、
・頼られるほど断れなくなる状況
・「良くなっているから続ける」が止められない流れ
・施術者や支援者側が役割を越える瞬間
を避けるための判断を置いています。
②誰向けか
・訪問鍼灸をしている人
・訪問看護、介護職で在宅に関わる人
・患者や利用者との距離が近くなりやすい人
・頼られると断りにくいタイプの支援者
③現場の前提
80代女性
数年前から癌の闘病中
慢性的な腰痛で訪問開始
施術後の改善がはっきり出たケース
ご主人を亡くされており、
会話の時間も長くなりやすい状況
ご家族も関わりたい気持ちはあるが、
生活の変化(結婚・出産など)で
十分な時間を割くことが難しい状態
→ このような状況は、
訪問鍼灸に限らず、
訪問看護・介護でも起こりやすい前提です
④起きたこと
最初は身体の改善が目的でしたが、
徐々に
・施術頻度を増やしてほしい
・「明日も来てほしい」
といった要望が増えていきました
終末期に近づくにつれて
認知機能も少しずつ低下
「施術=安心」という状態に変わっていきました
⑤違和感(ヒヤリ)
頼られている感覚が強くなり
・ここまで信頼してくれているなら
・自分が関わらないと
という感情が出てきました
ただ実際は、
施術の必要性とは別の理由で
関係が続こうとしていました
頼られている状況そのものが、
判断を鈍らせている感覚がありました
⑥減らせる判断
「信頼されている=続ける理由」ではありません
必要なのは
・その施術や関わりに意味があるか
・今の状態に対して適切な頻度か
感情ではなく、
役割としての判断に戻すことです
これは職種に関係なく共通です
頼られている時ほど、
役割はズレやすくなります
⑦今ならどうするか
・頻度は身体状態を基準に決める
・終末期に入った段階で役割を再定義する
(施術なのか、関わりなのかを分ける)
・できることと、やらないことを明確に伝える
時間を増やすことや
回数を増やすことが
そのまま価値になるわけではありません
補足(軽い構造の話)
このケースでは、
患者側は
亡くなったご主人の代わりの存在として
施術者・支援者側は
過去の家族(祖父母など)への後悔の代わりとして
お互いに
別の何かを重ねていた可能性があります
こうなると、
「いい関係」に見えながら
役割は少しずつズレていきます
まとめ
このケースで残す判断は1つです
信頼は、続ける理由にはならない
むしろ
信頼されている時ほど
役割を確認し直す必要があります
