雪山救護のヒヤリハット|脱臼だと思った肘外傷

この記事は、
雪山救護の現場で経験した

「現場の前提に判断が引っ張られる」

というヒヤリの記録です。

避けられるのは、

・外傷が多い現場で
 典型パターンに判断を合わせてしまうこと

です。

この記録が、
外傷対応や救護の現場で

判断の参考になればと思っています。


誰向けの記事か

この記事は

・救護
・スポーツ外傷
・整骨院
・整形外科
・トレーナー

など

外傷を扱う現場にいる人

向けです。

特に

・外傷が多い現場
・判断を急ぐ現場

では

現場の空気に判断が引っ張られる

ことがあります。


現場の前提

当時、
雪山の救護に入っていました。

そのスキー場は
スノーボード客が多く、

初心者から上級者まで
様々なレベルの人が来ます。

救護室には

・骨折
・脱臼

が多く、

1日に
5〜10件ほど

運ばれてくることもありました。

軽い

・打撲
・捻挫

くらいでは
救護室まで来ないことが多いです。

救護に来るときは

・ジェットスキーに繋がれた
 搬送用のソリ

で運ばれてくるか、

・友人
・知人
・パトロール隊

に支えられて来ます。

「ちょっと怪我しました」

という軽い雰囲気で
一人で来る人は、ほとんどいません。


運ばれてきた患者

その日、

スノーボードで転倒した
女性が

パトロール隊に連れられて
救護室に来ました。

転倒時に

肘をついた

とのこと。

症状は

・肘の痛み
・動かせない

という状態でした。


疑われた外傷

対応していた人は

・ヒューター三角
・弾力性固定

などを確認し、

肘関節後方脱臼

を疑いました。

さらに

上腕骨外側上顆骨折

の可能性も考えていました。

現場では

肘脱臼は珍しくない外傷

でもあります。


整復

本人の希望もあり、

応急処置として

整復操作

を行うことになりました。

自分は
助手として加わりました。

愛護的に操作しながら

パトロール隊の人にも
協力してもらい

整復を試みました。

ただ

明確な整復感は得られませんでした。

その後

・包帯
・シーネ固定

を行い、

麓の病院へ
搬送しました。


後から残った違和感

後から考えると

いくつか
違和感が残りました。

本当に

脱臼だったのか。

もしかすると

・疼痛回避
・筋緊張

動かせなかっただけ

だった可能性もあります。

また

弾力性固定の評価も

本当に確かだったのか

という疑問が残りました。


減らせる判断

この経験で思ったのは

外傷が多い現場では

その現場の典型に
判断が引っ張られる

ということです。

骨折や脱臼が多い場所では

「今回もそうだろう」

と見えてしまう。

それ自体は
自然なことですが、

判断が急ぐと

決め打ち

に近づいてしまいます。


今なら置く判断

今なら

整復の前に

もう一度

本当に脱臼か

を確認する時間を
取ると思います。

外傷の多い現場ほど

・症状
・所見
・機序

を一度
切り離して考える。

現場の空気より

所見を優先する。

雪山救護のような現場では

この一歩が
判断を守ることもあると感じています。

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