障害者支援施設のヒヤリハット|助けたくなる構造

この記事は、
障害者支援施設で夜勤をしていた時、
事故ではなく“責任の曖昧さ”にヒヤッとした話
です。

避けられるのは、
・役割の外で成果を背負うこと
・できていないことを、できたことにする判断
・「助けたい」をそのまま通すこと
です。


現場の前提

知的・精神が混在するグループホームで、
夜勤スタッフとして入っていた頃の話。

・一般マンションの一室
・3LDKを共有し複数名入居
・夜勤は22時から見回りや翌日の準備支援

ある入居者が腰痛で整形外科を受診。
外出が苦手な人だったため、
夜勤時に簡単な運動を一緒にしてほしい、
と“お願いベース”で関わることになった。

正式なリハ契約ではない。
追加報酬もない。
あくまで、支援の延長。


最初の印象

初対面の印象は、

・おどおどしている
・こちらをよく見る
・真面目に話を聞く

名前を聞かれ、答えると、
紙に何度も書いて覚えようとしていた。

次に行った時、
部屋には自分の名前を書いた紙が
いくつも置かれていた。

執着というより、
「ちゃんと覚えよう」としている様子だった。


リハの様子

運動はなかなか伝わらない。

見ている時は真面目。
やろうとする姿勢はある。

「次来るまでにこれやっといてね」と伝える。

次に行くと、
やっていない。

でも、

「やりました」

と言う。

できていないのに、
できたように取り繕う。


ヒヤッとした本当の理由

危なかったのは、
やっていなかったことではない。

危なかったのは、

「できていない」を、
できたことにして進めそうになったこと。

自分の立場は曖昧だった。

・正式な担当ではない
・お願いレベルの関わり
・夜勤の合間
・症状も軽い

「そこまで本気で背負う話でもないか」

そんな温度もあった。

それでも、

・ちゃんと話を聞く
・どうしたらいいかを尋ねてくる
・真面目に見える

助けたくなる構造が、そこにあった。


起きかけていたこと

できていない
→ やったと言う
→ 支援者が信じたくなる
→ 次も続く
→ 成果の責任が曖昧になる

事故は起きない。

でも、

誰の責任で、どこまでやるのかが
溶けていく。


今なら、ここを整理する

今ならやるのはこれ。

・できていないことは、できていないと扱う
・宿題は“確認事項”であって、成果の証明ではない
・自分の役割を明確にする

「ここまでが自分の範囲」

を先に置く。

助けることと、
背負うことは違う。


まとめ

この話で減らすべき判断は、

「助けたくなる構造に、
責任まで乗せること」

真面目に見える人ほど、
支援者は引き受けやすい。

でも、

役割が曖昧な場面で
成果まで背負うと、
誰も得をしない。

支援は、
熱量よりも
責任の配置で壊れる。


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