訪問鍼灸の初回対応の流れ|最初に決めること(料金・頻度・延長・キャンセル)

訪問鍼灸は、施術そのものよりも「最初の設計」でほぼ決まる。
初回の対応が曖昧なままだと、後からズレが起きて、施術者側が苦しくなる。

  • 延長を求められる
  • 予定変更が増える
  • キャンセルが雑になる
  • ルールがないので断れなくなる

これは患者さんが悪いというより、
初回で「決めるべきことを決めていない」ことが原因になることが多い。

この記事では、私が訪問現場で実際にやっている
**初回対応の流れ(料金・頻度・延長・キャンセル)**をまとめます。


初回で決めることは「技術」より「枠組み」

訪問鍼灸の初回で一番大事なのは、

信頼関係を作ること
ではなく、
ズレが起きにくい枠組みを作ること

です。

施術がうまくいっても、枠組みがないと崩れる。
逆に、施術が普通でも枠組みが整っていると継続しやすい。


初回対応の流れ(私の場合)

ざっくりこの順番で進めています。

  1. 目的(何を良くしたいか)を確認
  2. 料金と支払い方法を説明
  3. 頻度(回数)の提案
  4. 延長の扱いを説明
  5. キャンセル・変更のルール
  6. 次回予約の取り方
  7. 最後に「こちらの判断基準」を軽く伝える

① 目的(ゴール)を最初にすり合わせる

初回でありがちなのが

  • 本人は「痛みをとってほしい」
  • 家族は「歩けるようにしてほしい」
  • 施術者は「筋力と可動域が必要だと思ってる」

みたいに、全員が違う方向を向いている状態。

ここを放置すると
施術が正しくても噛み合わないが起きる。

まずはこの確認。

  • 今日から何ができるようになりたいか
  • 何が一番困っているか
  • 家族の希望は何か(本人とズレてないか)

② 料金と支払い方法(最初に言い切る)

ここは「ふんわり」させないほうがいい。

料金はこうなります
支払いはこうなります
月の目安はこれくらいです

を初回で言う。

理由は単純で、
あとから言うほど関係性が壊れやすいから。


③ 頻度の提案(延長より回数)

訪問の現場では「長めにしてほしい」が出やすい。

でも実際は、

  • 手技系なら → 長いほどドーゼオーバー(翌日だるい/痛い)
  • トレーニング系なら → 疲労を残すと転倒リスク

がある。

だから私は基本こう伝えています。

「長くするより、週1を週2にする方が安全で、結果も出やすいです」

そしてここで大事なのは、
“施術者側の都合”で言わないこと。

「こっちが忙しいから延長できない」ではなく

  • 身体にとって安全
  • 効果が出やすい
  • 生活に馴染む

という理由で話す。


※「延長すべきか、頻度を増やすべきか」で迷いやすいので、こちらも参考にしてください。
「訪問鍼灸は『長くするより回数』|延長より頻度をすすめる理由」


④ 延長の扱い(「例外」を最初に決める)

延長は、1回でも許すと

  • 次も延長が前提になる
  • “標準”が勝手に上がる
  • 断ると悪者になる

が起きやすい。

だから私は先に言う。

「基本延長はしません」
「例外はこういうときだけです」

例外はたとえば

  • 初回で説明が長引いたとき
  • 大きな不調変化があって急ぎ対応が必要なとき

みたいにこちら主導で決める


⑤ 予約の取り方(次の枠を先に決める)

訪問は「その場で決める」が最強。

理由は、後回しにすると

  • 優先順位が下がる
  • 予定が埋まる
  • 連絡のストレスが増える

から。

初回は「次回だけ」でもいいので取っておく。


⑥ キャンセル・変更ルール(在宅は起きる前提)

在宅は

  • 体調悪化
  • 急な通院
  • 家族都合
  • 入院

普通にある。

だから「キャンセルされるな」は無理。

ただし、ここを曖昧にすると

  • 当日キャンセルが増える
  • 前提が壊れる
  • 施術者側だけが調整役になる

になる。

なので私はこう言う。

「キャンセル自体は大丈夫です」
「ただ、わかった時点で早めに連絡ください」

そして必要なら、

「続く場合は頻度や枠の取り方を相談します」

と先に仕組みを置いておく。


※突然のキャンセルが続いたときの判断は、ここで整理しています。
「【訪問鍼灸】突然のキャンセルはどう判断する?」


⑦ 最後に「判断基準」を軽く伝える

初回の最後に、ガチガチに言う必要はないけど、
判断軸だけは先に匂わせるのが大事。

たとえば

  • 時間が守れるか
  • 敬意が成立するか
  • こちらが「調整役」になり続けないか

このへん。

これを最初に入れておくと、
後で線引きする時に揉めにくい。


まとめ:初回で枠を作ると、後が全部ラク

初回は「施術で魅せる」より、

  • ルール
  • 例外
  • 判断基準

を置いたほうが、結果として関係が続く。

優しさって、
その場で全部受けることじゃなくて

長く続けられる形に整えること

やと思う。


▼ 関連記事(初回対応とセットで読む)

・頻度と延長の判断で迷ったとき
「訪問鍼灸は『長くするより回数』|延長より頻度をすすめる理由」

・突然のキャンセルが続くときの判断
「【訪問鍼灸】突然のキャンセルはどう判断する?」

・時間を軽く扱われたときの線引き
「在宅ケアで『時間』を軽く扱わない理由」

・敬意が成立しないときの判断
「敬意が成立しない関係から離れるという判断」

・判断基準をまとめて見たい人へ
「訪問鍼灸の判断基準|延長や頻度の相談で迷わない」