生活支援員が困る外部施術者|勝手に判断して話を進めるリスク

障害者支援施設に、訪問鍼灸・訪問マッサージなどの外部施術者が入る場面は、まだ多くないかもしれません。

ただ、外部から身体を見てくれる人が入ること自体には、期待もあります。

施設にも来てもらえると嬉しい。
利用者さんの反応を見てくれると助かる。
状態変化を共有してくれるとありがたい。

そう感じられる場面はあります。

一方で、生活支援員さんから見ると、外部施術者の関わり方によっては困ることもあります。

報告がない。
専門用語が多くて何をしているか分からない。
利用者さんや家族さんに期待を持たせすぎる。
他職種の方針を否定する。
勝手に判断して話を進める。
営業色が強い。
高圧的に見える。

こうなると、施術の良し悪し以前に、施設側は受け入れにくくなります。

この記事では、障害者支援施設で生活支援員さんが困りやすい外部施術者の関わりを整理します。

施術技術の話ではなく、施設に入る外部職として、まず避けたいズレを確認する記事です。

勝手に判断して話を進めると、施設側は困る

外部施術者は、利用者さんの身体を専門的に見る立場です。

痛み。
動きにくさ。
姿勢。
歩行。
移乗。
身体の反応。

そうした変化に気づくことがあります。

気づくこと自体は大切です。

ただ、その気づきをもとに、施術者だけで話を進めると施設側は困ります。

たとえば、次のような場面です。

施術者側の動き 施設側が困る理由
家族さんに先に回数や方針を話す 施設側が知らないところで期待が高くなる
職員さんに介助方法を変えるよう伝える 施設の方針や人員体制と合わないことがある
施術者の判断で必要性を強く伝える 他職種との共有がないまま話が進む
本人さんの反応だけで継続を決める 生活全体や医療面の確認が抜けることがある

障害者支援施設では、本人さんの希望、家族さんの希望、施設の支援方針、医療的な注意点が重なります。

施術者が一部だけを見て判断すると、施設側の支援とズレることがあります。

外部施術者は、気づいたことを黙っておく必要はありません。

ただし、勝手に決めるのではなく、まず施設側へ共有する。

ここが大切です。

他職種の方針を否定しない

生活支援員さんが困る関わりとして、他職種の方針を否定されることがあります。

「この介助はよくない」
「もっと動かした方がいい」
「この対応では改善しない」
「今のやり方は間違っている」

施術者側は専門的な意見のつもりかもしれません。

でも、施設側から見ると、現場の積み重ねや他職種の判断を否定されたように感じることがあります。

施設では、身体機能だけで支援を決めているわけではありません。

本人さんの特性。
こだわり。
不安の出方。
医療的な注意点。
職員配置。
事故リスク。
家族さんとの経過。

そうしたものを踏まえて、今の支援が作られていることがあります。

否定に聞こえやすい言い方 共有として伝える言い方
この介助は変えた方がいいです この動作で痛みが出やすい様子がありました
もっと歩かせた方がいいです 歩行時に一歩目が出にくい様子がありました
今の対応だと悪くなります この姿勢が続くと負担が増えそうに見えました
このやり方は間違っています 別の方法も一度検討できるかもしれません

専門職として意見を持つことは大切です。

ただ、施設に入る外部職としては、現場を否定するのではなく、判断材料を渡す形にした方がズレにくくなります。

施設に入る訪問施術者の報告や共有については、こちらの記事でも整理しています。

施設に入る訪問施術者に必要な報告ルール|施設側が目安を作る意味

利用者さん・家族さんに期待を持たせすぎない

訪問鍼灸・訪問マッサージでは、利用者さんや家族さんに安心してもらいたい場面があります。

よくなりますよ。
続ければ変わります。
もっと動けるようになります。
痛みは軽くなると思います。

前向きな言葉をかけたくなることがあります。

ただ、障害者支援施設では、期待を持たせすぎる言葉が施設側の負担になることがあります。

本人さんや家族さんの期待が高くなる。
施設側に「もっとやってほしい」という要望が残る。
実際には医療的・生活的な制約がある。
施術者がいない時間に、職員さんがその期待を受け止める。

こうなると、施術者の言葉が現場の負担になります。

期待を持たせすぎる言い方 ズレにくい伝え方
続けたら良くなります まずは反応を見ながら、無理なく続けられるか確認します
歩けるようにしていきます 歩行時の負担やリスクを見ていきます
痛みは取れると思います 痛みの出方を見ながら、楽に過ごせる時間を探します
もっと回数を増やした方がいいです 回数については、本人さん・施設側・関係者と相談が必要です

外部施術者は、希望を渡すこともあります。

ただし、できることとできないことを分けずに期待を渡すと、施設側は困ります。

訪問施術では、前向きな言葉ほど慎重に扱う必要があります。

営業色が強いと、施設側は身構える

生活支援員さんや施設側から見ると、営業色が強い外部職は受け入れにくくなります。

もちろん、サービスを説明することは必要です。

訪問鍼灸・訪問マッサージが何をするのか。
どんな方に関われるのか。
どこまで対応できるのか。
報告はどうするのか。

これは伝える必要があります。

ただ、説明よりも売り込みが前に出ると、施設側は身構えます。

回数を増やす話が早い。
効果を大きく言いすぎる。
他サービスより自分たちを良く見せる。
施設側の状況を聞く前に提案する。
利用者さんや家族さんとの距離が近くなりすぎる。

こうなると、外部施術者は連携相手ではなく、営業に来た人として見られやすくなります。

紹介しやすい施術者として出てきたのは、営業が強い人ではありません。

こちらの意図を汲んでくれる。
臨機応変さがある。
関係構築も念頭に置いてくれる。
説明が分かりやすい。
人柄が安定している。

こういう人です。

施設側から見た訪問鍼灸の分かりにくさについては、こちらの記事で整理しています。

施設側から見た訪問鍼灸|「何をしているか分からないもの」は勧めにくい

動く前に、共有するだけでズレは減る

生活支援員さんが困る外部施術者には、共通点があります。

報告がない。
専門用語が多い。
勝手に判断する。
期待を持たせすぎる。
他職種に共有しない。
高圧的に見える。

これらは、施術技術だけの問題ではありません。

施設側にとっては、情報が見えないまま外部職が動いていることが不安になります。

逆に、動く前に共有するだけで、ズレは減ります。

迷いやすい場面 先に共有したいこと
家族さんから相談を受けた 相談内容を施設側にも共有する
回数や継続の必要性を感じた 施術者だけで決めず、関係者と相談する
介助方法が気になった 指示ではなく、見えた変化として共有する
リスクがありそうな変化に気づいた 早めに施設側へ短く伝える
本人さんの反応が気になった 施術内容だけでなく、反応も共有する

障害者支援施設では、初回に本人さんの希望、医療的な注意点、報告方法を確認しておくと安心です。

初回から施術を成立させようとしない関わり方については、こちらの記事で整理しています。

障害者支援施設から見た訪問鍼灸|慣れるまで時間をかけて関わる意味

外部施術者は、すべてを施設任せにする必要はありません。

ただし、施設側が知らないところで話を進めない。

それだけでも、安心感は大きく変わります。

まとめ

障害者支援施設で生活支援員さんが困る外部施術者は、技術がない人とは限りません。

むしろ、専門性があっても、関わり方で受け入れにくくなることがあります。

勝手に判断して話を進める。
他職種の方針を否定する。
利用者さんや家族さんに期待を持たせすぎる。
営業色が強い。
報告がない。
専門用語が多く、何をしているか分からない。

こうした関わりは、施設側に負担を残します。

大切なのは、気づいたことをすぐに決定に変えないことです。

まず共有する。
施設側の方針を聞く。
本人さんの反応を見る。
できること・できないことを分ける。
他職種の動きを否定しない。

これだけで、外部施術者の見え方は変わります。

生活支援員さんが紹介しやすいのは、強く売り込む人ではありません。

利用者さんの特性と施設の状況を見ながら、臨機応変に関係を作れる人です。

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