鍼灸整骨院のヒヤリハット|待たせている焦りが、火気の条件を緩めた日
鍼灸整骨院では、患者さんを待たせている焦りや、信頼関係のある相手ほど「これくらいなら大丈夫」と条件を緩めてしまうことがあります。この記事では、火気を使う施術中に筒灸が倒れ、バスタオルが焦げたヒヤリハットを整理します。大事なのは、忙しさや申し訳なさと、安全条件を分けて判断することです。
この記事で避けられること
この記事では、
・待ち時間や指名対応の焦りで施術条件を緩めてしまうこと
・火気を使う場面で「これくらいなら大丈夫」と判断してしまう流れ
・信頼関係がある患者さんほど、確認や条件設定が甘くなる状況
を避けるための判断を置いています。
誰向けか
・鍼灸整骨院で働いている人
・火気を使う施術をしている人
・指名患者さんが多く、待ち時間が発生しやすい人
現場の前提
鍼灸整骨院で働いていた時の話です。
当時は指名で担当する患者さんが多く、
他の施術者には任せず、
かなり待ってでも施術を受けてくださる方が何人かいました。
その日も、そうした患者さんが重なっており、
1時間以上お待たせする方が出るような日でした。
他の施術者は空いていても、
その患者さんたちは待ってくださっていました。
待たせていることへの申し訳なさがあり、
自分の中でも少し焦りが出ていたと思います。
その患者さんは、
精神的に不安定さのある方で、
施術者への信頼が強く、
他の人には任せたくないというタイプの方でした。
また、お灸、特に筒灸を好まれる方でもありました。
起きたこと
その日は寒い日でした。
患者さんも服をあまり脱ぎたくない様子で、
「寒いから薄着にはなりたくない」
という流れがありました。
そこで、服の上からバスタオルで覆いながら、
筒灸を使って施術をしていました。
施術中、その患者さんはよく眠られる方で、
その時も眠っておられました。
ところが途中で急に覚醒し、
体がぱっと動きました。
その拍子に筒灸が倒れました。
皮膚には倒れず、
火傷にはなりませんでしたが、
バスタオルが焦げました。
違和感(ヒヤリ)
この時に怖かったのは、
焦げたのがバスタオルで済んだことではありません。
もし服に倒れていたらどうなっていたか
もし皮膚に倒れていたらどうなっていたか
ということでした。
また、
もし動いても倒れにくい灸を選んでいたらどうだったか、
服をきちんと外してもらっていたらどうだったか、
そもそも待たせている焦りがなければ、
条件を緩めずに済んだのではないか、
ということも残りました。
今回のヒヤリは、
患者さんが急に動いたことだけではありません。
急がされる状況の中で、
火気を扱う条件を少しずつ甘くしていたことが問題でした。
減らせる判断
火気を使う時は、信頼関係や待ち時間を理由に条件を緩めない
患者さんとの関係ができていると、
こちらも「このくらいなら大丈夫」と判断しやすくなります。
また、待たせている人が多い時ほど、
なるべくその場をスムーズに進めようとして、
本来なら整えるべき条件を省きやすくなります。
しかし、火気を扱う施術では、
少しの省略がそのまま事故につながります。
服をどうするか、
タオルの位置は安全か、
患者さんが動く可能性はないか、
使う灸の種類は適切か。
こうした条件は、
関係性や流れではなく、
安全基準で決める必要があります。
今ならどうするか
今なら、
火気を使う施術では、
待ち時間が長い日でも条件を緩めません。
・服や周囲の可燃物の位置を確認する
・急な動きがあった時に倒れにくい方法を選ぶ
・眠る可能性があるなら、なおさら火気の扱いを慎重にする
・寒さへの配慮と安全条件を分けて考える
必要であれば、
その日の施術内容自体を調整します。
待たせていることへの申し訳なさより、
事故を起こさないことの方が優先です。
まとめ
このケースで残す判断は1つです。
急いでいる日ほど、火気の条件は緩めない
信頼されている患者さんほど、
こちらも流れで判断しやすくなります。
しかし、
信頼関係は安全条件を下げてよい理由にはなりません。
火気を使う施術では、
忙しさ、待ち時間、関係性とは別に、
毎回条件を整え直す必要があります。
関連記事
同じテーマのヒヤリハット
▶整形外科リハのヒヤリハット|学びに行ったつもりが、職種の溝に入っていた日
▶訪問鍼灸のヒヤリハット|施術の後に、持ち物の確認が抜けた日
ヒヤリハットをまとめて読む

