訪問鍼灸のヒヤリハット|本人が望んでいても、家族が納得していなかった話
①この記事で避けられること(読む理由)
この記事では、
・本人の希望だけで訪問を始めてしまうこと
・家族の同意や納得が見えないまま話を進めること
・始めてから関係がこじれる状況
を避けるための判断を置いています。
②誰向けか
・訪問鍼灸をしている人
・訪問看護、介護職で家族と関わることが多い人
・紹介経由で新規の訪問が始まることが多い人
③現場の前提
紹介で訪問することになりそうだった患者さんの話です。
本人はかなり前向きで、
来てほしいという意思もはっきりしていました。
60代くらいの女性で、
頭はしっかりしていましたが、
身体が不自由で、
日常生活のことを自分一人でこなすことは難しい状態でした。
困っていることや痛みについても、
本人なりにしっかり伝えてくださっていました。
一見すると、
訪問を始める条件は整っているように見えました。
④起きたこと
話を進める中で、
私は少し違和感を持っていました。
本人は来てほしいと言っている。
困りごとも伝わっている。
ただ、介護や家族の関わりがあるはずなのに、
家族の話がなかなか出てきませんでした。
後から分かったのは、
同居しているご主人が、
家に他人が入ることをよく思っていなかったということでした。
本人は、ご主人がいない時にあえて話を進めていたようでした。
最終的にはご主人とも話をさせてもらい、
こちらからお断りすることにしました。
納得が得られないまま始めても、
良い形にはならないと判断したからです。
⑤違和感(ヒヤリ)
この時のヒヤリは、
家族が反対していたこと自体ではありません。
本人の希望がはっきりしている時ほど、
その後ろにある家族の温度差を見落としやすい
ということでした。
本人に困りごとがあり、
来てほしい意思もある。
紹介も入っている。
そうなると、
こちらも「始められそうだ」と判断しやすくなります。
しかし訪問では、
本人の希望だけで成立することばかりではありません。
特に、
同居家族がいる場合、
家に誰を入れるか、
介護や生活にどう関わるかは、
本人だけの判断では進みにくいことがあります。
⑥減らせる判断
本人が望んでいても、家族の納得が見えない時は一度立ち止まること
訪問では、
施術の必要性だけでなく、
生活の場に他人が入ることへの納得が必要です。
本人が前向きでも、
同居家族が反対していれば、
そのまま始めても関係は不安定になります。
しかも、その反対が
はっきり言葉になっていない時ほど注意が必要です。
・家族の話が出にくい
・本人が家族のいない時だけ話を進めようとする
・生活の話があるのに家族の同意が見えない
こういう時は、
施術の話より先に、
誰が納得していて、誰が納得していないのかを確認する必要があります。
⑦今ならどうするか
今なら、
本人が前向きでも、
家族の関わりが大きいと感じた時点で、
早い段階で家族の意向を確認します。
・同居家族はどう考えているのか
・家に入ることへの抵抗はないか
・本人だけで話を進めていないか
・始めた後に支障が出ないか
このあたりを確認したうえで、
納得が揃わないなら無理に始めません。
訪問は、
始めることより、
続けられる形で始めることの方が大事だからです。
まとめ
このケースで残す判断は1つです。
本人の希望があっても、家族の納得が見えない時は始めない
訪問では、
身体の困りごとだけでなく、
生活の場に入ることへの同意が必要です。
本人が来てほしいと思っていても、
家族の側で止まっているなら、
そのまま進めても良い結果にはつながりにくい。
訪問の導入では、
希望の強さより、
納得の揃い方を見る必要があります。
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