訪問鍼灸を始める時に最初にやること|届出・受領委任・開業届の流れ

訪問鍼灸を始めようとすると、最初にいくつもの手続きの言葉が出てきます。

保健所への届出。
施術所の開設届。
出張施術業務開始届。
受領委任。
厚生局への申出。
開業届。
青色申告。

このあたりが一気に出てくると、何から手をつければいいか分からなくなります。

ただ、最初にやることは、全部を一気に覚えることではありません。

まずは、見る場所を分けることです。

  • 保健所に出す話
  • 厚生局に出す話
  • 税務署に出す話

この3つを混ぜると、訪問鍼灸の準備は必要以上に難しく見えます。

この記事では、訪問鍼灸を始める時に最初に整理したい、届出・受領委任・開業届の流れをまとめます。

訪問鍼灸の実務全体を先に確認したい方は、こちらも読んでください。

訪問鍼灸の実務まとめ|同意書・報告書・料金・施設対応・連携で迷ったときに読む記事

結論|最初は3つに分ける

訪問鍼灸を始める時は、「開業手続き」とひとまとめにしない方がいいです。

保健所、厚生局、税務署では、見ている内容が違います。

  • 保健所:施術所や出張施術に関する届出
  • 厚生局:受領委任を扱うための申出
  • 税務署:事業として始めるための開業届や税務

この3つを混ぜると、何をどこに確認すればいいのか分からなくなります。

たとえば、開業届を出したからといって、保険請求の準備が整うわけではありません。

受領委任の申出をしたからといって、同意書、カルテ、レセプト、料金説明まで自動で整うわけでもありません。

まずは、「どこに何を出す話なのか」を分けて考えることが大事です。

まず自分の働き方を決める

届出や申出を調べる前に、まず自分の働き方を決める必要があります。

  • 施術所を構えるのか
  • 出張専門で始めるのか
  • 院を持ちながら訪問もするのか
  • 個人で始めるのか
  • 法人で動かすのか
  • 保険施術を扱うのか
  • 自費中心で始めるのか

ここが曖昧なまま手続きだけを調べると、情報が混ざります。

施術所を構える場合と、出張専門で始める場合では、保健所に確認する内容が変わります。

保険施術を扱う場合と、自費中心で始める場合でも、必要な準備は変わります。

完璧に決める必要はありません。

ただ、施術所ありなのか、出張専門なのか、保険を使うのか、自費中心なのか。

このあたりを仮でも分けておくと、次に確認する窓口が見えやすくなります。

保健所に出す話

保健所に関係するのは、施術所の開設や出張施術に関する届出です。

訪問鍼灸を始める時は、まずここを確認した方がいいです。

施術所を構える場合は、施術所の開設届や構造設備の確認が必要になります。

出張専門で始める場合は、出張施術業務に関する届出を確認する必要があります。

院を持ちながら訪問も行う場合は、施術所と出張の扱いをどう考えるか、管轄の保健所に確認した方が安全です。

ここで大事なのは、「訪問だから何もいらない」と決めつけないことです。

ネット上の一般論だけで判断せず、自分の所在地を管轄する保健所に確認してください。

聞く時は、こういう聞き方で十分です。

はり師・きゅう師として訪問施術を始めたいと考えています。
施術所を構える場合と、出張専門で始める場合で、必要な届出を確認したいです。

これくらい具体的に聞くと、窓口側も答えやすくなります。

厚生局に出す話

厚生局に関係するのは、受領委任を扱うための申出です。

訪問鍼灸で保険施術を扱う場合、受領委任という言葉が出てきます。

受領委任は、患者さんの窓口負担や、保険者への請求の流れに関わる仕組みです。

ただし、受領委任は、保険施術のすべてを自動で整えてくれるものではありません。

同意書、カルテ、レセプト、施術報告書、料金説明とは、それぞれ役割が違います。

受領委任の取扱いを希望する場合は、地方厚生局への申出などが関係します。

必要書類や添付書類は、自分の形によって変わることがあります。

  • 施術所で行うのか
  • 出張専門なのか
  • 施術管理者は誰か
  • 勤務する施術者がいるのか
  • 個人開設なのか法人開設なのか

このあたりによって確認する内容が変わるため、必ず自分の地域を管轄する地方厚生局の案内を確認してください。

地方厚生局の受領委任に関する案内を確認する

受領委任そのものの意味が曖昧な方は、先にこちらを読んでください。

受領委任とは何か|訪問鍼灸を始める人向けにわかりやすく整理

税務署に出す話

税務署に関係するのは、個人事業として始めるための開業届や青色申告です。

ここは、施術制度というより、事業を始めるための税務上の手続きです。

保健所や厚生局の話と混ぜると分かりにくくなりますが、見ている場所が違います。

  • 保健所:施術所や出張業務に関する話
  • 厚生局:受領委任や療養費請求に関する話
  • 税務署:事業として収入を得ることに関する話

個人で始める場合は、開業届や青色申告の承認申請などを確認する必要があります。

また、会計ソフトを使うのか、経費をどう管理するのか、確定申告をどうするのかも、早めに整理しておいた方が楽です。

国税庁の案内も確認しておくと安心です。

国税庁|新たに事業を始めたときの届出など

訪問鍼灸では、施術が始まってから事務や税務を整えようとすると、かなり負担になります。

最初は小さくても、請求、入金、経費、帳簿、確定申告は後から必ず出てきます。

おすすめの順番

訪問鍼灸を始める時は、次の順番で整理すると分かりやすいです。

  1. 自分の働き方を決める
  2. 保健所に確認する
  3. 保険施術を扱うか決める
  4. 受領委任を使うか整理する
  5. 厚生局の申出を確認する
  6. 開業届や青色申告を確認する
  7. 同意書・カルテ・レセプトを整える
  8. 料金説明と初回対応を準備する

この順番にすると、かなり整理しやすくなります。

最初からレセプトや受領委任の細かい様式だけを見に行くと、止まりやすいです。

まだ自分の働き方や届出の前提が決まっていないからです。

まずは、施術所ありなのか、出張専門なのか。

保険施術を扱うのか、自費中心なのか。

個人で始めるのか、法人で動かすのか。

そこを分けてから、各窓口に確認した方が早いです。

最初にやりがちな勘違い

訪問鍼灸を始める時に、最初にやりがちな勘違いがあります。

開業届を出せば全部始められると思う

開業届は、税務署に出す事業開始の手続きです。

それだけで、保健所や厚生局の確認が不要になるわけではありません。

受領委任を出せば保険施術が全部整うと思う

受領委任は、請求の流れに関わる仕組みです。

ただし、同意書、カルテ、レセプト、施術報告書、料金説明が不要になるわけではありません。

訪問専門だから保健所は関係ないと思う

訪問専門で始める場合でも、出張施術業務に関する届出などを確認する必要があります。

「施術所を持たないから何もしなくていい」と決めつけない方が安全です。

先にレセコンだけ入れれば安心と思う

レセコンは便利です。

ただし、届出、受領委任、同意書、料金説明、初回対応が曖昧なままレセコンだけ入れても、実務全体は整いません。

レセコンは請求事務を助ける道具です。

訪問鍼灸の実務全体を代わりに設計してくれるものではありません。

まとめ

訪問鍼灸を始める時に最初にやることは、手続きを全部暗記することではありません。

まずは、保健所、厚生局、税務署に分けて考えることです。

  • 保健所:施術所や出張施術に関する届出
  • 厚生局:受領委任を扱うための申出
  • 税務署:開業届や青色申告などの税務

この3つを分ければ、自分が今どこで止まっているのかが見えます。

そのうえで、自分の働き方を決める。

施術所ありなのか、出張専門なのかを確認する。

保険施術を扱うなら受領委任を整理する。

事業として始めるなら開業届や会計も整える。

そして、同意書、カルテ、レセプト、料金説明、初回対応へ進む。

この順番で考えると、訪問鍼灸の準備はかなり整理しやすくなります。

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