あはき療養費の令和8年度改定で何が変わるのか|訪問施術料・月16回以降・施設集中の見直し

この記事で避けられること

この記事では、令和8年度のあはき療養費改定について、

  • 料金が少し上がっただけだと受け取ること
  • 訪問施術料1〜5の区分変更を見落とすこと
  • 月16回以降の50%算定を見落とすこと
  • 同一施設90%以上の集中率による80%算定を見落とすこと
  • 明細書発行加算や同意書運用の変更を後回しにすること
  • 施設紹介料の記事と今回の改定内容を混同すること

を避けるための判断を置いています。

今回の改定は、単なる料金改定ではありません。

料金は少し上がります。

ただし、それ以上に大きいのは、訪問施術の回数、同一建物での人数、施設集中、明細書、同意書、紹介料まわりが、より整理されたことです。

特に、訪問鍼灸・訪問マッサージを行っている人にとっては、料金表だけ見て終わると危ない改定だと思います。

令和8年6月5日付の通知では、あはき療養費の施術料金等を改め、令和8年7月1日以降の施術分から適用するとされています。

目次

誰向けか

この記事は、次のような方向けです。

  • 訪問鍼灸をしている人
  • 訪問マッサージに関わっている人
  • あはき療養費の令和8年度改定をざっくり把握したい人
  • 施設や高齢者住宅で訪問施術をしている人
  • 月16回以上の頻回施術がある人
  • 同一建物で複数人を施術している人
  • 同意書、明細書、療養費請求の運用を見直したい人
  • これから訪問鍼灸・訪問マッサージを始めたい人

この記事では、細かい通知文をすべて追うのではなく、実務上どこを見直すべきかを中心に整理します。

あはき療養費の令和8年度改定で何が変わるのか

令和8年度のあはき療養費改定が正式に発表されました。

資料を見ると、かなり量が多いです。

料金表、留意事項、受領委任、明細書、様式変更など、全部を一気に追うと見る気がなくなります。

ただ、実務者目線で見るなら、今回の改定のポイントはかなりはっきりしています。

結論から言うと、

料金は少し上がる。

でも本質は、訪問施術の頻回・同一建物・施設集中・説明責任を整理する改定。

こう見た方が分かりやすいです。

特に重要なのは、次の6つです。

  1. はり・きゅう、マッサージの基本料金の引き上げ
  2. 訪問施術料が1〜5の区分に整理されたこと
  3. 月16回以降の施術が50%算定になること
  4. 同一施設への集中率90%以上で80%算定になること
  5. 明細書発行加算が新設されたこと
  6. 同意書、紹介料、特別関係、自己施術・自家施術が明確化されたこと

はり・きゅうの料金変更

まず、はり・きゅうの料金です。

改定前は、令和6年度改定後の料金を基準にしています。今回、初検料、通所の施術料、訪問施術料が引き上げられ、明細書発行加算が新設されています。改定後の初検料・施術料・訪問施術料・明細書発行加算は令和8年6月5日通知に記載されています。

はり・きゅう|基本料金

項目 改定前 改定後 差額
初検料 1術1,950円2,000円+50円
初検料 2術2,230円2,320円+90円
施術料 1術1,610円1,650円+40円
施術料 2術1,770円1,820円+50円
電療料100円100円変更なし
特別地域加算250円250円変更なし
往療料2,300円2,300円変更なし
施術報告書交付料480円480円変更なし
明細書発行加算なし10円新設

金額だけを見ると、そこまで大きな上げ幅ではありません。

ただし、今回の本体は単価の上昇ではありません。

訪問施術料の区分変更と、月16回以降の50%算定です。

はり・きゅうの訪問施術料は5区分に整理

はり・きゅうの訪問施術料は、同一日に同一建物で施術した人数によって区分されます。

改定前は、訪問施術料3が「3人以上」の区分で、その中に3〜9人と10人以上の料金がありました。今回の改定では、10〜19人が訪問施術料4、20人以上が訪問施術料5として整理されています。令和6年度の訪問施術料は近畿厚生局資料で確認できます。

はり・きゅう|訪問施術料

区分 人数 改定前 1術 改定後 1術 差額 改定前 2術 改定後 2術 差額
訪問施術料11人3,910円3,950円+40円4,070円4,120円+50円
訪問施術料22人2,760円2,800円+40円2,920円2,970円+50円
訪問施術料33〜9人2,070円2,110円+40円2,230円2,280円+50円
訪問施術料410〜19人1,760円1,800円+40円1,920円1,970円+50円
訪問施術料520人以上1,760円1,720円-40円1,920円1,890円-30円

ここはかなり重要です。

1人、2人、3〜9人、10〜19人までは少し上がっています。

ただし、20人以上の区分は、改定前の10人以上区分と比べると下がっています。

つまり、今回の訪問施術料の見直しは、

少人数の訪問施術は少し上げる。

でも、同一建物で20人以上まとめて見る形は評価を下げる。

こう見た方が分かりやすいです。

制度側は、訪問施術そのものを否定しているわけではありません。

ただし、同一建物で大量に回すモデルについては、かなり明確に見に来ています。

あん摩マッサージの料金変更

次に、あん摩マッサージです。

マッサージは1局所あたり20円の引き上げです。5局所で見ると、2,250円から2,350円に上がります。令和6年度料金では1局所450円、5局所2,250円で、令和8年度改定後は1局所470円、5局所2,350円です。

あん摩マッサージ|基本料金

項目 改定前 改定後 差額
マッサージ 1局所450円470円+20円
マッサージ 2局所900円940円+40円
マッサージ 3局所1,350円1,410円+60円
マッサージ 4局所1,800円1,880円+80円
マッサージ 5局所2,250円2,350円+100円
温罨法180円180円変更なし
温罨法+電気光線器具300円300円変更なし
変形徒手矯正術470円470円変更なし
特別地域加算250円250円変更なし
往療料2,300円2,300円変更なし
施術報告書交付料480円480円変更なし
明細書発行加算なし10円新設

ここも、料金自体は少し上がっています。

ただし、マッサージ側でも重要なのは、訪問施術料の区分変更です。

あん摩マッサージの訪問施術料も5区分に整理

あん摩マッサージの訪問施術料も、同一日に同一建物で施術した人数によって区分されます。

改定前は、訪問施術料3の中に「10人以上」の区分がありました。今回の改定では、10〜19人が訪問施術料4、20人以上が訪問施術料5として分けられています。

あん摩マッサージ|訪問施術料

区分 人数 局所 改定前 改定後 差額
訪問施術料11人1局所2,750円2,770円+20円
訪問施術料11人2局所3,200円3,240円+40円
訪問施術料11人3局所3,650円3,710円+60円
訪問施術料11人4局所4,100円4,180円+80円
訪問施術料11人5局所4,550円4,650円+100円
訪問施術料22人1局所1,600円1,620円+20円
訪問施術料22人2局所2,050円2,090円+40円
訪問施術料22人3局所2,500円2,560円+60円
訪問施術料22人4局所2,950円3,030円+80円
訪問施術料22人5局所3,400円3,500円+100円
訪問施術料33〜9人1局所910円930円+20円
訪問施術料33〜9人2局所1,360円1,400円+40円
訪問施術料33〜9人3局所1,810円1,870円+60円
訪問施術料33〜9人4局所2,260円2,340円+80円
訪問施術料33〜9人5局所2,710円2,810円+100円
訪問施術料410〜19人1局所600円620円+20円
訪問施術料410〜19人2局所1,050円1,090円+40円
訪問施術料410〜19人3局所1,500円1,560円+60円
訪問施術料410〜19人4局所1,950円2,030円+80円
訪問施術料410〜19人5局所2,400円2,500円+100円
訪問施術料520人以上1局所600円540円-60円
訪問施術料520人以上2局所1,050円1,010円-40円
訪問施術料520人以上3局所1,500円1,480円-20円
訪問施術料520人以上4局所1,950円1,950円変更なし
訪問施術料520人以上5局所2,400円2,420円+20円

ここも見方が大事です。

1人、2人、3〜9人、10〜19人までは基本的に少し上がっています。

ただし、20人以上の区分では、1〜3局所は改定前の10人以上区分より下がっています。

4局所は同額。

5局所だけは少し上がっています。

つまり、マッサージ側も、

同一建物で大量に回すモデルほど、単純な値上げにはなっていない。

ここが今回の改定のポイントです。

月16回以降は50%算定になる

今回、かなり大きいのがここです。

同一患者に対する月16回以降の施術について、一定の料金が50%算定になります。

はり・きゅうでは、月16回以降の施術について、

  • 施術料
  • 訪問施術料
  • 電療料

が所定料金の50%で算定されます。

マッサージでは、月16回以降の施術について、

  • マッサージ
  • 訪問施術料
  • 温罨法
  • 電気光線器具を使用した温罨法
  • 変形徒手矯正術

が所定料金の50%で算定されます。

これはかなり分かりやすいです。

制度側は、頻回施術を見に来ています。

月16回ということは、単純に考えると週4回ペースです。

もちろん、必要なケースはあります。

状態が重い人、筋麻痺や関節拘縮が強い人、生活動作の維持に必要な人、家族や介護環境も含めて頻回に見た方がいいケースはあります。

ただ、療養費として月16回以上入るなら、

  • なぜその回数が必要なのか
  • 何を目的にしているのか
  • 施術によって何を確認しているのか
  • 生活上どのような意味があるのか
  • 漫然と継続していないか

ここが、より問われると思います。

月16回以上は「悪」ではない。ただし説明できる必要がある

ここは雑に書きたくありません。

月16回以上の施術が全部悪いわけではありません。

本当に必要な人はいます。

特に訪問マッサージでは、筋麻痺、関節拘縮、重度のADL低下、寝たきり、疼痛、介護負担など、頻回に関わる理由があるケースもあります。

ただし、今回50%算定が入ったということは、制度側は少なくとも、

頻回施術が本当に療養費として必要なのか

を見たいということです。

大事なのは、回数を単純に減らすことではありません。

必要な人には必要な回数を入る。

ただし、

  • なぜ月16回以上なのか
  • どの状態を見ているのか
  • 変化があるのか
  • 家族や介護サービスとの関係はどうか
  • どこまで続けるのか

を記録と説明で出せるようにしておく。

これが大事だと思います。

同一施設90%以上なら80%算定になる

次に、施設集中です。

今回、訪問施術料4または5を算定する施術所で、同一月に集中率が90%以上の場合、その月のその施設における訪問施術の料金は80%算定になります。

対象になるのは、同一建物で10人以上を見るようなケースです。

はり・きゅうでは、訪問施術料4・5を算定する施術所で、同一月の集中率が90%以上の場合、その施設での訪問施術の料金を80%で算定するとされています。訪問施術料を算定せずに施術料を算定している場合も、集中率の計算に含める扱いです。

マッサージでも同様に、訪問施術料4・5を算定する施術所で、同一月に集中率が90%以上の場合、その施設での訪問施術の料金は80%算定になります。出張専門の施術者が訪問施術料を算定せずに施術料を算定している場合も、集中率の計算に含まれます。

これは、かなり大きいです。

言い方を選ばずに言うと、

1つの施設に強く依存して、まとめて施術するモデルは見られる

ということです。

施設集中は、紹介料の記事とは分けて考える

ここは、以前書いた「施設紹介料」の記事と関係します。

ただし、今回の記事では主語を分けます。

この記事の主語は、あくまで令和8年度の正式改定内容です。

施設紹介料の記事の主語は、施設営業と紹介料の線引きです。

この2つを混ぜすぎると、記事の役割がぼやけます。

今回の記事では、

  • 訪問施術料4、5
  • 同一建物10人以上、20人以上
  • 同一施設90%以上
  • 80%算定
  • 頻回施術
  • 明細書
  • 同意書

を中心に整理します。

紹介料、顧問料、相談料、施設との金銭関係について詳しく知りたい方は、別記事で整理しています。

訪問鍼灸・訪問マッサージで施設に紹介料を払っていいのか|療養費で超えてはいけない線

明細書発行加算が新設された

今回、明細書発行加算も新設されています。

金額は10円です。

ただし、これは単なる10円加算ではありません。

流れとしては、患者さんに対して、施術内容と請求内容を見えるようにする方向です。

明細書発行加算は、患者に対して一連の施術に係る料金の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書を無償で交付した場合に算定するとされています。

これは柔整療養費の改定とも近い流れです。

患者さんに対しても、保険者に対しても、

何に対して、いくら算定しているのか

を見えるようにしていく。

これが制度全体の方向だと思います。

同意書は「診察を受けた上で」が明確化された

同意書まわりも重要です。

医師の同意、再同意は、医師の診察を受けたものでなければならないとされています。

いわゆる無診察同意が行われないようにすることも明記されています。

さらに、オンライン診療による同意書の交付はできないとされています。

ここは現場でかなり大事です。

訪問鍼灸・訪問マッサージでは、同意書が制度上の入口になります。

その入口が雑になると、後の請求全体が不安定になります。

また、同意書を訂正する場合は、保険医が二重線と署名、または訂正印で訂正する扱いです。

修正テープや修正液は使えません。

細かい話に見えますが、返戻や疑義の原因になりやすいところです。

同意書の更新や再同意については、以下の記事でも整理しています。

訪問鍼灸の同意書更新|6ヶ月後の再同意で必要なこと

紹介料・経済上の利益提供はかなり明確に書かれた

今回、紹介料や経済上の利益提供についても明確化されています。

施術所が、集合住宅、施設、請求代行事業者、医療機関、医師関係者などに対して、金品、紹介料、その他の経済上の利益を提供して患者紹介を受けた場合、その紹介の結果行われた施術は療養費支給の対象外とされています。

ここでいう経済上の利益には、金銭だけでなく、物品、便益、労務、饗応なども含まれます。

これはかなり強い書き方です。

「紹介料」という名前でなければいい。

「顧問料」ならいい。

「相談料」ならいい。

「業務委託費」ならいい。

そういう話ではありません。

実質として、患者紹介の見返りになっているなら、かなり危ないです。

ただし、この話をこの記事で深掘りしすぎると、施設紹介料の記事と重なります。

なので、この記事では改定内容として触れるに留めます。

詳しくは、施設紹介料の記事で読んでください。

訪問鍼灸・訪問マッサージで施設に紹介料を払っていいのか|療養費で超えてはいけない線

施設との「特別な関係」も見られる

紹介料だけではありません。

施術所と施設などが特別の関係にあり、実質的に患者さんが他の施術所を選べない場合、その施設入居者への施術は療養費の支給対象外とされています。

特別の関係としては、同一開設者、同一代表者、親族関係、役員などの関係、人事・資金関係、フランチャイズ契約、経営コンサル委託関係などが挙げられています。

また、高齢者住まい等を運営する事業者と施術所の間に、契約や金銭授受、利用者募集を共同・連携・委託して行う関係がある場合も、特別の関係に該当し得る内容です。

これは、単なる紹介料の話より広いです。

制度側は、

患者さんが自由に施術所を選べる状態か

を見ています。

施設と施術所が実質的に一体化していて、入居者が他の施術所を選びにくい。

施設側の都合で、特定の施術所に流れる。

金銭や契約、運営上の関係で、患者さんの選択が歪む。

こういう形を警戒しているのだと思います。

自己施術・自家施術は支給対象外

自己施術・自家施術についても、療養費支給の対象外であることが明確化されています。

はり師・きゅう師による自分自身への施術、家族への施術、関連施術所の開設者や従業員への施術は対象外です。

普通の感覚では、

「そんなことする人いるのか」

と思うかもしれません。

ただ、制度文書に明記されるということは、問題視される事例があるということだと思います。

ここは、新しく急に禁止されたというより、

療養費の趣旨から外れるものを、逃げ道がないように整理した

と見た方が自然です。

訪問しているのに通所施術料で算定する扱いも整理された

今回、地味に重要なのがここです。

マッサージでは、訪問施術を行った場合、訪問施術料を算定せずに通所による施術料を算定することはできないとされています。

ただし、出張専門施術者が施術を行う場合で、同意書に「訪問又は往療を必要としない」と記載されている場合は、この限りではないとされています。

これは何を見ているかというと、

実際には施設などへ訪問しているのに、訪問施術料を算定せず、通所扱いのように処理するケース

です。

ここも、施設集中率や訪問施術料4・5とつながります。

制度側としては、

「実際にどこで、どういう形で施術しているのか」

を見えるようにしたいのだと思います。

申請書・総括表の運用も変わる

今回の改定では、療養費支給申請書の様式にも変更があります。

特に、月16回以上の施術を行った場合、または訪問施術料4・5を算定した場合には、新たな療養費支給申請書により請求を行うことになります。

また、訪問施術料4または5を算定する場合、療養費支給申請書には訪問施術総括表を添付する取扱いになります。

これは、単なる様式変更ではありません。

訪問施術料4・5、つまり同一建物で10人以上、20人以上を見るケースについて、保険者が状況を確認しやすくするための変更だと思います。

今回の改定は「値上げ」より「訪問施術の整理」

今回の改定を、単なる料金改定として見ると、

  • 少し上がった
  • 明細書発行加算がついた
  • 訪問施術料が細かくなった

という話になります。

でも、もう少し大きく見ると、方向性ははっきりしています。

訪問施術を、より説明できる制度に整理していく。

これだと思います。

  • 月16回以上の頻回施術は50%算定
  • 同一建物10人以上、20人以上は訪問施術料4・5
  • 同一施設90%以上集中なら80%算定
  • 明細書で施術内容と請求内容を見えるようにする
  • 同意書は診察前提
  • オンライン診療による同意書交付は不可
  • 紹介料や経済上の利益提供は対象外
  • 施設との特別関係も対象外
  • 自己施術・自家施術も対象外

つまり、

必要な訪問施術は残す。

でも、頻回・施設集中・囲い込み・説明できない請求は残しにくくする。

そういう改定に見えます。

実務で見直すべきこと

今回の改定を受けて、訪問鍼灸・訪問マッサージ側が見直すべきことは大きく7つあります。

1. 月16回以上の患者がいるか

まず、月16回以上の患者さんがいるか確認した方がいいです。

いる場合は、

  • なぜその回数が必要なのか
  • 状態変化を記録できているか
  • 施術目的が明確か
  • 漫然と継続していないか
  • 家族やケアマネに説明できるか

を見直す必要があります。

2. 同一建物で10人以上・20人以上の施術があるか

同一建物で10人以上なら訪問施術料4、20人以上なら訪問施術料5です。

ここに該当する場合は、料金だけでなく、申請書や総括表の運用も関係してきます。

3. 1施設への集中率が90%以上になっていないか

特定の施設に患者さんが偏っていないか。

1施設への依存が強くなりすぎていないか。

訪問施術料4・5を算定する施術所では、ここは特に見ておいた方がいいです。

4. 訪問しているのに通所扱いになっていないか

実際には施設や自宅へ訪問しているのに、訪問施術料を算定せず通所扱いにしていないか。

ここも整理が必要です。

特に出張専門、施設内施術、同意書の記載内容が絡む場合は注意が必要です。

5. 明細書を出せる運用になっているか

明細書発行加算は10円です。

ただ、10円の話ではなく、明細書を交付できる運用になっているかが大事です。

患者さんや家族に、

「今日は何に対して、いくらかかっているのか」

を説明できる状態にしておく必要があります。

6. 同意書が診察を受けた上で交付されているか

同意書は、訪問鍼灸・訪問マッサージの入口です。

  • 医師の診察を受けた同意か
  • 無診察同意になっていないか
  • オンライン診療による同意書交付になっていないか
  • 訂正方法が適切か

ここは確認しておいた方がいいです。

7. 施設・紹介者・医師関係者との金銭関係がないか

紹介料、顧問料、相談料、業務委託料など、名前の問題ではありません。

実質として患者紹介の見返りになっていないか。

施設との契約や金銭関係によって、患者さんの施術所選択が歪んでいないか。

ここは、かなり慎重に見直すべきです。

まとめ

令和8年度のあはき療養費改定は、金額だけ見れば小幅な引き上げです。

しかし、実務上の意味はかなり大きいです。

特に重要なのは、

  • 訪問施術料1〜5への整理
  • 月16回以降の50%算定
  • 同一施設90%以上の集中率による80%算定
  • 明細書発行加算の新設
  • 同意書運用の明確化
  • 紹介料、経済上の利益提供、特別関係の明確化
  • 自己施術、自家施術の対象外明確化

です。

今回の改定は、あはき療養費を単に減らすための改定というより、

訪問施術の使われ方を、より説明できる形に整理する改定

だと思います。

訪問施術は、必要な人には本当に必要です。

ただし、制度として継続するには、

  • なぜ訪問が必要なのか
  • なぜその回数が必要なのか
  • なぜその施設に集中しているのか
  • 患者さんは自由に選べているのか
  • 家族や保険者に説明できる請求になっているのか

ここを避けて通れなくなっています。

料金表だけを見るのではなく、自分の現場が説明できる形になっているか。

今回の改定は、それを見直すタイミングだと思います。


訪問鍼灸・訪問マッサージの制度整理で迷っている方へ

訪問鍼灸・訪問マッサージは、現場だけでなく制度の理解も必要になります。

同意書、報告書、料金、訪問施術料、明細書、ケアマネ連携、施設対応。

ひとつずつは小さく見えても、整理できていないと後からかなり重くなります。

LINEでは、訪問鍼灸の始め方や、制度まわりで迷いやすいポイントについて相談できます。

  • 訪問鍼灸を始めたい
  • 同意書や料金の整理で迷っている
  • ケアマネや家族への説明に迷う
  • 保険請求と現場判断の線引きが分からない
  • 施設対応や連携の仕方を整理したい
  • 今の働き方や開業の方向性を見直したい

このあたりで迷っている方は、まずはLINEからどうぞ。

LINEで相談・無料PDFを受け取る


関連記事

療養費・制度まわりをあわせて読む

訪問鍼灸の始め方を読む


次の一手

今回のあはき療養費改定を見ると、制度側は明らかに、

「説明できる訪問施術」

を重視する方向に進んでいます。

これは、料金表だけの話ではありません。

  • 訪問回数
  • 同一建物での人数
  • 施設集中
  • 同意書
  • 明細書
  • 紹介料
  • 施設との関係
  • 患者さんの選択

このあたりを、施術所側が説明できるかどうかです。

制度を細かく覚えるだけでなく、自分の現場が説明できる形になっているか。

そこを見直す記事として、あわせて読んでみてください。

訪問鍼灸の実務まとめを読む