訪問鍼灸の同意書更新|6か月の期限計算と再同意の手順

訪問鍼灸を医療保険で継続するときは、同意書の支給可能期間を確認します。一般に「6か月」と説明されますが、実際の末日は起点となる日と、月の前半・後半で変わります。期間を超えて継続するには、改めて保険医の診察と、文書による同意が必要です。

期限を数える起点は、初回は原則「初療日」、更新時は「医師の再同意日」です。ただし、初回同意書の作成から施術開始まで1か月以上空いた場合は、「同意書作成日」を起点にします。起点となる日が15日以前か16日以降かで、支給可能期間の末日が変わります。「受診した日から、ちょうど半年後」とだけ覚えないことが大切です。

この記事では、はり・きゅう療養費の同意書更新について、期限の確認から、報告書・受診・再同意後の記録までの段取りを整理します。

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同意書更新で分けて管理する4つの日付

まず、次の4つを別々に確認します。

日付 確認する意味
初回同意書の作成日 初療日までの間隔を確認する日。施術開始まで1か月以上空いた場合は、初回の期間を数える起点になる
初療日 最初に施術を行った日。原則として初回の支給可能期間を数える起点になる
医師の再同意日 更新後の支給可能期間を数える起点となる日
支給可能期間の末日 今回の同意に基づく保険扱いの期限として管理する日

同意書を受け取った日、施術者が入力した日、医師が同意した日を一つにまとめると、確認が難しくなります。特に初回は、同意書作成日と初療日を両方記録し、施術開始まで1か月以上空いていないかを確認します。

15日・16日で変わる支給可能期間の数え方

厚生労働省の支給に関する留意事項では、原則となる初療日又は医師による再同意日について、次の区切りが示されています。初回同意書の作成から初療まで1か月以上空いた場合は、下の説明のとおり同意書作成日を起点にします。

起点となる日 支給可能期間の末日 計算例
月の15日以前 その月の5か月後の月末 2026年10月15日 → 2027年3月31日
月の16日以降 その月の6か月後の月末 2026年10月16日 → 2027年4月30日

たとえば、初回の同意書の同意日が10月10日、初療日が10月20日であれば、初療日を起点に数えます。上の区切りでは4月末となり、同意日だけを見て3月末と計算しないようにします。

同意書作成から初療まで1か月以上空いた場合

厚生労働省の疑義解釈資料(2012年2月13日・別添1の問17)では、同意を受けてから施術開始まで1か月以上空いている場合、初療日ではなく同意書作成日を起点にすることが適当とされています。

たとえば、同意書作成日が2026年10月5日、初療日が2026年12月29日なら、1か月以上空いているため、10月5日を起点に数えます。通常の期間計算では2027年3月31日までとなり、初療日の12月29日から数えて6月30日まで延ばす扱いにはしません。医師がより短い加療期間を記載している場合は、その内容も確認します。

16日以降は、再同意を受けられる開始日ではない

15日・16日は、期間を計算するための区切りです。「16日以降に受診しなければならない」という意味ではありません。現在の期間を超えて保険で施術を続けるには、その施術までに医師の再同意が必要です。受診日や書類の準備は、現在の末日と医療機関の予定を確認して調整します。

これらは、制度上の期間を数えるための例です。医師が短い加療期間を記載している場合は、その内容も確認します。長い加療期間の記載があっても、制度上の支給可能期間を超えて自動延長されるものではありません。

期限が分かったら、同意日だけでなく「今回の末日」と「次に確認する予定日」も記録しておきます。

再同意には、医師の診察と文書による同意が必要

再同意は、前回の同意書を施術者の判断で延長する手続きではありません。継続の必要性は、診察した医師が判断します。

  • 患者さんが継続を希望している
  • 家族が了承している
  • 施術者が報告書を作成した

これらだけでは、医師の再同意に置き換わりません。受診の予定を確かめ、診察と同意書の交付に向けて準備します。受診の方法に調整が必要な場合は、主治医の医療機関へ相談します。

施術報告書は、再同意の前に経過を伝えるために準備する

施術報告書は、医師が再同意を検討する際に、施術の経過や現在の状態を確認するための連携資料です。同意書そのものとは役割が違います。

再同意に向けて、次の情報を日々の記録から拾えるようにしておきます。

  • 主な症状と、施術している部位・頻度
  • 前回からの変化と、現在も残っている困りごと
  • 歩行・移乗など、生活動作への影響
  • 施術者が観察したことと、本人・家族から聞いたこと
  • 医師へ確認したい事項

「まだ必要です」と書くだけでなく、何が続いていて、何が変わったのかを短く整理します。更新直前に記憶だけで書くより、普段の記録から経過を追える形にしておく方が、報告内容を確認しやすくなります。

報告書の具体的な書き方は、訪問鍼灸の施術報告書|医師・ケアマネに伝える内容と書き方で扱っています。

施術報告書交付料を算定する場合は、交付する時期や施術月などの条件も別に確認します。報告書を作ったこと、交付料を算定できること、医師が再同意することは、それぞれ分けて考えます。

更新の段取りは「期限・担当・確認できた事実」で管理する

同意書更新では、施術者だけでなく、患者さん・家族・医療機関の予定も関係します。期限だけをメモするより、次に誰が動くのかまで決めておくと確認しやすくなります。

以下は、更新を進めるための運用例です。1〜2か月前という時期は、余裕を持つための目安で、制度上の一律の手続き期限を示したものではありません。

時期の目安 準備すること 確認して残すこと
末日の1〜2か月前 今回の期限を確認し、本人・家族へ受診の必要性を伝える 支給可能期間の末日/受診調整をする人
受診前 経過を整理し、施術報告書を準備・交付する 受診予定日/書類を持参・送付する人/交付日
受診後 医師の再同意の有無と、同意書の内容を確認する 再同意日/対象の傷病・留意事項等/書類の確認状況
確認後 新しい期間を算出し、施術録・請求管理へ反映する 新しい末日/次に予定を確認する日

「受診する予定」と「受診したこと」、「同意書をお願いしたこと」と「再同意の内容を確認できたこと」は違います。予定が決まっただけで、更新完了にはしないようにします。

患者さん・家族には、次に動くことが分かるように伝える

説明では、現在の期限、受診が必要な理由、こちらで準備するものを具体的にします。次は、そのための文例です。

現在の同意書に基づいて保険で施術できる期間は、○月○日までです。続ける場合は、改めて医師の診察と同意が必要になります。

こちらで施術の経過をまとめた報告書を準備します。受診日と、書類を持参する方が決まりましたら教えてください。継続できるかどうかは、診察した医師の判断になります。

施設で調整する場合も、受診する人・家族へ連絡する人・書類を持参する人を確認します。本人の希望だけでなく、実際に日程を調整できる相手へ情報が届いているかを見ます。

期限に間に合わない・再同意を確認できないとき

更新予定があるという理由だけで、期間外の施術を自動的に保険扱いにはできません。まず、受診予定と再同意の状況を確認し、必要に応じて医療機関・保険者へ取扱いを確認します。

同意書の受取りが遅れている場合も、医師の再同意そのものがまだなのか、書類の確認だけが残っているのかを分けます。不明なまま、後で同意が得られることを見込んで処理しないようにします。

自費での対応を相談する場合は、費用や条件を事前に説明し、本人・家族の了承を得ます。保険で続けられると思っていた方へ、後から自費分を当然のように請求しないためです。

医師から同意が得られない場合の整理は、訪問鍼灸の同意書がもらえないときの対応を参照してください。

更新後は、次の末日まで決めて終える

再同意を確認したら、医師の再同意日を起点に期間を数え、新しい末日と次の確認予定を残します。

更新時に持っておきたい情報は、「起点となる日」「今回の末日」「受診予定」「調整する人」「再同意を確認できたか」です。ここまでつながっていれば、同意書更新を思い出した人だけに頼らず、状況を確認できます。

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制度の確認に使用した資料

制度資料確認:2026年10月28日。本稿は、はり・きゅう療養費の一般的な期限管理を扱っています。個別の支給可否は保険者の確認を要し、医師が示した加療期間や留意事項も併せて確認してください。