新人鍼灸師は患者と何を話す?会話が苦手だった頃に知りたかったこと

新人の頃、患者さんと何を話せばいいか分からないことがあります。
「会話しろ」と言われても、何を話せばいいのか分からない。盛り上げないといけない気がする。でも、実際の患者対応で大事なのは、話し上手になることではなく、相手の話を聞いて、覚えて、次につなげることでした。

①この記事で避けられること(読む理由)

この記事では、
・患者さんとの会話を「盛り上げないといけない」と思い込むこと
・調子や痛みだけを質問攻めのように聞いてしまうこと
・自分の話ばかりして、患者さんの話を奪ってしまうこと

を避けるための判断を置いています。

②誰向けか

・新人の鍼灸師、柔道整復師
・患者さんとの会話が苦手な人
・施術中に何を話せばいいか分からない人
・若くて人生経験が少ないことに引け目がある人

③新人の頃は、患者さんと何を話せばいいか分からなかった

昔、鍼灸整骨院で雇われていた頃の話です。

先輩からよく、
「患者さんともっと話をしろ」
と言われていました。

ただ、当時の私は正直、
何を話せばいいのか分かりませんでした。

こちらは18歳から20代前半くらい。
患者さんは自分より年上の方が多い。

自分みたいな若い人間と話して、
相手は楽しいのだろうか。
何か正しいことを言わないといけないのではないか。
人生経験もないのに、何を話せばいいのか。

そんな感覚がありました。

その結果、
痛いところ、調子、症状の変化だけを、
質問攻めのように聞いていました。

④会話に「正解」を出そうとしていた

今振り返ると、
当時の私は会話に正解を出そうとしていました。

患者さんに何か良いことを言わないといけない。
うまく返さないといけない。
会話を盛り上げないといけない。

そう考えていたから、
余計に話せなくなっていたのだと思います。

でも、実際にはそこまで難しく考えなくてもよかった。

相手の話を聞く。
気になったところを聞き返す。
前に話してくれたことを覚えておく。

これだけでも、
患者さんとの関係はかなり変わります。

⑤患者さんとの会話は、うまく話すことではない

患者さんとの会話で大事なのは、
こちらが面白い話をすることではありません。

むしろ、
相手の話をちゃんと聞くことの方が大事です。

たとえば、
患者さんが家族の話をした。
前回、病院に行くと言っていた。
孫の行事があると言っていた。
最近眠れていないと言っていた。

次に来た時に、
「この前言っていた病院、どうでしたか」
「お孫さんの行事、行けましたか」
「前回、眠りにくいと言っていましたけど、その後どうですか」

と聞く。

それだけで、
患者さんは
「覚えていてくれた」
と感じます。

人は、うまい話をされた時より、
自分の話を覚えていてくれた時の方が、
安心することがあります。

⑥話し上手に見えても、評価されない会話もある

一方で、
自分では話が上手いと思っていても、
患者さんからの評価が高くない人もいます。

たとえば、
患者さんが話している途中で、
自分の話をかぶせてしまう。

患者さんが
「こういうことがあって」
と話しているのに、

「僕もこういうことがあって」
と自分の話に持っていく。

本人は盛り上がっているつもりでも、
患者さん側からすると、
話を取られたように感じることがあります。

会話が多いことと、
相手が話しやすいことは同じではありません。

⑦施術中の会話でやらない方がいいこと

新人の頃ほど、
会話を頑張ろうとしてズレることがあります。

たとえば、

・無理に盛り上げようとする
・自分の話で場を埋める
・患者さんの話に勝とうとする
・症状だけを質問攻めにする
・沈黙を全部悪いものだと思う

こういう会話は、
本人は頑張っているつもりでも、
相手には疲れることがあります。

特に施術中は、
患者さんがリラックスしたい場面でもあります。

話すことが目的ではなく、
安心して施術を受けてもらうことが目的です。

⑧会話が苦手なら、まず聞き返すだけでいい

会話が苦手な新人ほど、
まずは「話す」より「聞く」で十分です。

たとえば、

「それはいつ頃からですか」
「その時、困りましたね」
「前にも同じようなことがありましたか」
「それは今も続いていますか」
「前回より楽ですか、それとも同じくらいですか」

このくらいでいいです。

相手が話してくれたことの中で、
少し気になったところを聞き返す。

それだけでも、
会話は続きます。

そして、
次回来た時に前回の話を少し覚えておく。

新人の頃は、
それだけでもかなり十分です。

⑨技術から逃げているわけではない

ここで勘違いしやすいのは、
会話を大事にすることは、
技術から逃げることではないということです。

もちろん、
施術者として技術は必要です。
見立ても、検査も、説明も必要です。

ただ、
技術が届く前に、
患者さんが安心して話せる関係が必要な場面もあります。

特に新人の頃は、
技術で圧倒することは難しいです。

だからこそ、
相手の話を聞く。
覚えておく。
必要なことを丁寧に確認する。

この土台が大事になります。

会話は技術の代わりではありません。
でも、技術を受け取ってもらうための土台にはなります。

⑩今ならこう考える

今なら、
新人の頃の自分にこう言います。

患者さんとの会話は、
正解を言う場ではない。

面白い話をする必要もない。
人生経験で勝つ必要もない。

まずは、
相手の話を聞く。
気になったことを聞き返す。
前に話してくれたことを覚えておく。

それで十分です。

無理に話し上手になろうとするより、
相手が話しやすい人になる方がいい。

施術中の会話は、
盛り上げるためのものではなく、
安心してもらうためのものです。

まとめ

この記事で残す判断は1つです。

患者さんとの会話は、うまく話すことではなく、相手の話を聞いて覚えておくことから始まる。

新人の頃は、
何を話せばいいか分からなくて当然です。

でも、
正しいことを言おうとしすぎると、
かえって話せなくなります。

まずは聞く。
気になったところを返す。
次回に少し覚えておく。

それだけでも、
患者さんとの関係は変わります。


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